墓じまいを自分でやる方法|手順・費用・注意点を完全解説

hakajimai-jibunde-yarikata 墓じまい

墓じまいは業者に全て任せなくても、行政手続きや親族調整など多くの工程を自分で進めることが可能です。手続き関連を自分で行い墓石解体のみ業者に依頼する「一部DIY」なら、費用の目安は20万〜80万円程度。業者に全て依頼した場合の30万〜150万円程度と比べ、数十万円単位の節約が見込めます。本記事では、仕事と両立しながら墓じまいを進めたい方に向けて、手順・費用・注意点を実務的な行動計画として解説します。

本記事の費用相場について:記事中の費用は、全国石製品協同組合や主要石材業者が公開している価格帯、および国民生活センターの相談事例をもとにした一般的な目安です。地域・墓地の条件・石材の種類などにより大きく異なるため、正確な金額は必ず個別に見積もりを取得してください。


  1. 墓じまいを自分でやる全体の手順と流れ【2026年版】
    1. 7ステップのフローと所要期間の目安
    2. 2026年時点で押さえておきたい変化
  2. 墓じまいの費用を3パターンで比較|2026年版の相場目安
    1. 費用3パターン比較表
    2. 離檀料のトラブルに要注意
    3. 費用を抑えるための3つの具体策
  3. 改葬許可申請の行政手続き|2026年版・必要書類と自分で進めるポイント
    1. 必要書類チェックリスト
    2. 手続きで失敗しやすい3つのポイント
    3. 改葬先の選び方|5つの供養方法比較
  4. 親族の反対・説得と合意形成|2026年版の実務アプローチ
    1. 反対される主な理由と対応の考え方
    2. 合意形成を円滑にする実務ポイント
    3. 法的に「全員の同意」は必要なのか
  5. 墓じまいを自分でやるメリット・デメリットと判断基準【2026年版】
    1. メリット・デメリット比較
    2. 完全自力で墓石解体するリスクと現実
    3. 業者に一部依頼する場合の確認ポイント
  6. よくある質問(FAQ)
    1. Q1. 墓じまいを自分でやる場合、法律上の問題はありますか?
    2. Q2. 墓じまいの費用を完全自力で行うと、どこまで抑えられますか?
    3. Q3. 寺院から高額な離檀料を請求された場合はどうすればいいですか?
    4. Q4. 遺骨が土に還っていて取り出せない場合はどうなりますか?
    5. Q5. 一人っ子で親族への相談相手がいない場合、誰に相談すればいいですか?
    6. Q6. 散骨を改葬先として選ぶ場合、どんな注意が必要ですか?
    7. Q7. 改葬許可はオンラインで申請できますか?

墓じまいを自分でやる全体の手順と流れ【2026年版】

墓じまいの全工程は大きく7ステップに分けられます。自分で対応できる部分と、専門業者に依頼すべき部分を切り分けることが成功の鍵です。全体の流れについては墓じまいの手順を7ステップで解説した記事も参考にしてください。

7ステップのフローと所要期間の目安

ステップ内容自分で可能?所要期間の目安
1親族への相談・合意形成2週間〜2か月
2改葬先(新しい供養先)の決定2週間〜1か月
3墓地管理者(寺院・霊園)への連絡1〜2週間
4改葬許可申請(行政手続き)2週間〜1か月
5閉眼供養(魂抜き)の実施△(僧侶に依頼)1日
6遺骨の取り出し・墓石の解体撤去△〜×(後述)1〜3日
7改葬先への納骨・供養開始1日

全工程を通すと、目安として2〜6か月程度かかるケースが多いです。仕事をしながら進める場合は、余裕をもって半年前から着手することをおすすめします。墓じまいの流れと期間の詳細も確認しておくと見通しが立てやすくなります。

2026年時点で押さえておきたい変化

厚生労働省「衛生行政報告例」によると、全国の改葬件数は近年15万件前後で推移しており、墓じまいへの社会的な関心は引き続き高い状況です。2026年時点で注目すべき動きとしては以下があります。

  • 行政手続きのオンライン化の進展:一部の自治体では改葬許可申請書のダウンロードだけでなく、郵送申請やオンライン申請への対応を進めています。該当する市区町村のWebサイトで最新の対応状況を確認してください
  • 散骨規制条例の広がり:後述しますが、散骨を規制する条例を制定する自治体が増加傾向にあり、改葬先として散骨を検討する場合は事前確認が不可欠です

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墓じまいの費用を3パターンで比較|2026年版の相場目安

「自分でやれば安くなる」とは言われますが、実際にどの程度の費用差が出るのかを把握しておくことが大切です。墓じまい費用の相場と内訳を参考に、3パターンに分けて解説します。

費用3パターン比較表

費用項目完全自力一部DIY(手続きは自分)業者に全て依頼
行政手続き(改葬許可)0〜数百円程度0〜数百円程度代行費として1万〜3万円程度
閉眼供養(お布施)3万〜10万円程度3万〜10万円程度3万〜10万円程度
墓石解体・撤去0円(自力の場合)10万〜30万円程度10万〜30万円程度
整地・原状回復0〜5万円程度5万〜15万円程度費用に含まれることが多い
改葬先の納骨費用5万〜100万円程度5万〜100万円程度5万〜100万円程度
離檀料(寺院の場合)0〜数十万円以上(後述)0〜数十万円以上0〜数十万円以上
合計目安約5万〜30万円程度約20万〜80万円程度約30万〜150万円程度

※上記は一般的な目安であり、墓地の立地(山間部・離島など重機搬入が困難な場合)や石材の量によって大きく変動します。費用の詳細は墓じまい費用の解説記事でも確認できます。

離檀料のトラブルに要注意

離檀料は寺院の「慣習」であり、法律で金額が定められているものではありません。請求されないケースもあれば、数十万円、場合によっては100万円以上の高額を請求されたトラブルも国民生活センターに報告されています

離檀料について押さえておくべきポイントは以下のとおりです。

  • 支払い義務は法律で定められていない:離檀料の支払いを強制する法的根拠はありません
  • まずは寺院と誠意をもって話し合う:長年のお付き合いへの感謝を伝えたうえで、金額について率直に相談する姿勢が重要です
  • 折り合いがつかない場合の相談先:各自治体の消費生活センター(消費者ホットライン188)、または弁護士への相談を検討してください
  • 改葬許可の発行は離檀料の支払いとは無関係:寺院が埋蔵証明書の発行を拒否した場合でも、自治体に相談すれば代替手段が用意されている場合があります

費用を抑えるための3つの具体策

  1. 複数業者への相見積もり:解体撤去費用は業者によって数万〜数十万円の差が出ることがあります。最低3社から見積もりを取るのが鉄則です
  2. 改葬先は合祀墓を選択肢に入れる:個別の永代供養墓は30万〜100万円程度が目安ですが、合祀墓なら5万〜30万円程度に抑えられる場合があります
  3. 自治体の補助金制度を確認する:一部の自治体では墓じまいに関する補助金制度を設けています。墓じまい補助金の情報を参考に、お住まいの自治体にも問い合わせてみてください

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改葬許可申請の行政手続き|2026年版・必要書類と自分で進めるポイント

墓じまいで避けて通れないのが「改葬許可」の行政手続きです。法的根拠は墓地、埋葬等に関する法律(墓埋法)で、埋葬・火葬または改葬を行おうとする者は市町村長の許可を受けなければならないと定められています(墓埋法第5条)。実務上、改葬許可の申請先は現在遺骨が埋蔵されている墓地の所在地を管轄する市区町村です。詳しい手続きの流れは改葬手続きの解説記事で確認できます。

必要書類チェックリスト

以下は一般的に必要とされる書類です。自治体によって様式や追加書類が異なる場合があるため、必ず該当する市区町村の窓口またはWebサイトで最新の要件を確認してください

書類名入手先備考
改葬許可申請書現在の墓地がある市区町村自治体Webサイトからダウンロードできる場合が多い
埋葬(埋蔵)証明書現在の墓地管理者(寺院・霊園)遺骨1体ごとに必要なケースあり
受入証明書改葬先の墓地・霊園改葬先を決めてから取得
申請者の本人確認書類運転免許証・マイナンバーカード等

申請から許可が下りるまでの期間は、目安として1週間〜1か月程度です。郵送での申請を受け付けている自治体もあるため、遠方にお墓がある場合は電話で確認してみてください。

手続きで失敗しやすい3つのポイント

  1. 埋蔵証明書の取得に時間がかかるケース:寺院が発行を渋る、管理者が不明、無縁墓化しているなどの事情で証明書の入手が難航することがあります。この場合は自治体の窓口に相談すると、代替手段(申請者による誓約書の提出など)を案内してもらえることがあります
  2. 遺骨の数の確認漏れ:先祖代々の墓では、想定以上に多くの遺骨が納められていることがあります。改葬許可は原則として遺骨1体ごとに必要なため、事前に墓地管理者に確認しておきましょう
  3. 改葬先を決める前に申請してしまう:受入証明書は改葬先が決まっていないと取得できません。改葬先の選定を先に進めることが重要です

改葬先の選び方|5つの供養方法比較

改葬先(新しい供養の形)は複数の選択肢があり、それぞれ費用感と特徴が大きく異なります。

改葬先費用の目安維持費後継者の要否こんな方におすすめ
永代供養墓(個別)30万〜100万円程度不要〜少額不要個別のお参り場所を残したい
永代供養墓(合祀)5万〜30万円程度不要不要費用を最小限にしたい
樹木葬20万〜80万円程度不要〜少額不要自然に還りたい想いがある
散骨(海洋散骨等)5万〜30万円程度不要不要お墓自体を持ちたくない
手元供養1万〜30万円程度不要不要遺骨を身近に感じたい

散骨に関する法的な注意点:散骨については、刑法第190条(遺骨遺棄罪)との関係が問題となりますが、1991年に法務省が「節度をもって行われる限り違法ではない」との見解を示しています。一方で、熱海市や七ヶ浜町など複数の自治体が散骨を規制する条例を制定済みであり、実施場所や方法によっては条例違反となる可能性があります。散骨を検討する場合は、実施予定地の自治体に条例の有無を必ず確認してください。

改葬先の判断に迷う場合は、「10年後・20年後にお参りを続けられるか」を基準に考えると、自分の生活に合った選択がしやすくなります。墓石の値段や選択肢の情報も判断材料になるでしょう。

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親族の反対・説得と合意形成|2026年版の実務アプローチ

費用や手続き以上に多くの方が苦労するのが、親族との合意形成です。「自分は一人っ子で判断を一手に引き受けている」「兄弟姉妹と疎遠になっている」「年配の親族が感情的に反対する」といったケースは珍しくありません。一人っ子の墓じまい親族が反対した場合の対処法についても詳しく解説していますので、併せて参考にしてください。

反対される主な理由と対応の考え方

親族が墓じまいに反対する理由は、多くの場合「感情」と「情報不足」に起因します。

反対の理由背景にある感情・価値観対応の考え方
「先祖に申し訳ない」先祖供養への信仰心・罪悪感「供養の形を変えるだけで、供養をやめるわけではない」ことを丁寧に説明する
「自分が生きている間はそのままに」現状維持への安心感将来の管理負担を具体的な数字で共有する(年間管理費・交通費等)
「勝手に決めるな」相談なく進められたことへの不信感最初の段階から意見を求め、「一緒に決める」姿勢を示す
「費用を負担したくない」金銭的な不安費用負担の分担案を事前に整理して提示する

合意形成を円滑にする実務ポイント

  1. 最初の連絡は「相談」として切り出す:「墓じまいをしたい」ではなく「お墓の将来をどうするか、一度話し合いたい」と伝えるだけで、相手の受け止め方は大きく変わります
  2. 現状の維持コストを数字で見せる:年間管理費、お参りの交通費、将来の修繕費など、「このまま維持した場合に今後かかる費用」を具体的に示すと、感情的な反対が建設的な議論に変わりやすくなります
  3. 改葬先の情報を事前に用意しておく:「壊して終わり」ではなく「こういう形で供養を続ける」という具体的なプランを提示できると、安心感につながります

どうしても話がまとまらない場合は、まず関係者全員でお墓参りに行くことで、現状(墓石の劣化・交通の不便さなど)を共有するきっかけになることがあります。

法的に「全員の同意」は必要なのか

法律上、改葬許可の申請者は「墓地の使用権者」または「祭祀承継者」であり、親族全員の署名・同意書は法的要件ではありません。ただし、後々のトラブルを防ぐために、主要な親族には事前に説明し、できれば書面で了承を得ておくことが実務上は強く推奨されます。

業者に依頼する場合も、親族間の調整まではサポート範囲外であることがほとんどです。この工程だけは、自分で進める覚悟が必要です。

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墓じまいを自分でやるメリット・デメリットと判断基準【2026年版】

ここまでの内容を踏まえて、「自分でやる」と「業者に任せる」を冷静に比較します。墓じまいのやり方業者の選び方の記事も判断材料として活用してください。

メリット・デメリット比較

項目自分でやるメリット自分でやるデメリット
費用業者依頼より数十万円単位で節約できる可能性がある工具購入・産廃処分費が想定外にかかることがある
スケジュール自分のペースで進められる仕事との両立で長期化しやすい
親族対応直接話すことで信頼関係を維持できる調整の負担が全て自分にかかる
品質・安全性墓石解体の事故リスク、隣接墓地の損傷リスク
精神的負担自分の手で供養を完了した納得感がある判断の連続による疲労・孤独感

完全自力で墓石解体するリスクと現実

「墓石を自分で解体する」と聞くとハンマーやバールで崩すイメージがあるかもしれませんが、現実には相当な困難を伴います。

必要な工具・資材の一覧:

  • 石材用ハンマー・タガネ
  • バール(てこ棒)
  • 電動ディスクグラインダー(石材カット用)
  • 運搬用台車・一輪車
  • 安全装備(保護メガネ・防塵マスク・安全靴・ヘルメット・革手袋)
  • 産業廃棄物の処分手配(墓石は産廃扱い。一般ゴミとしては処分できません)
  • 2トン以上のトラック(運搬用)

現実的な問題点:

  • 墓石に多く用いられる御影石(花崗岩)は非常に硬く、素人の手作業では丸一日かけても解体が終わらないことがあります
  • 解体した石材は産業廃棄物として適正に処分する義務があり、不法投棄は廃棄物処理法違反で罰せられます
  • 隣接する墓地を傷つけた場合の損害賠償リスクがあります
  • 重量物の取り扱いによる骨折・腰痛などの身体的リスクも軽視できません

こうした理由から、墓石の解体撤去だけは業者に依頼し、それ以外を自分で行う「一部DIY」が最も現実的な選択肢です。

業者に一部依頼する場合の確認ポイント

業者に一部でも依頼する場合は、以下の点を確認してください。

  • 墓石の解体撤去だけの部分依頼に対応しているか
  • 見積もりに「整地・原状回復費用」が含まれているか
  • 産業廃棄物の適正処分を行う許可を持っているか
  • 追加費用が発生する条件(重機搬入困難な場合の割増など)が明記されているか

複数業者の比較は、自分の判断材料を増やすためにも必ず行うべきステップです。


よくある質問(FAQ)

Q1. 墓じまいを自分でやる場合、法律上の問題はありますか?

A. 行政手続き(改葬許可)を適正に行い、遺骨の取り扱いが墓埋法に則っていれば、自分で進めること自体に法律上の問題はありません。ただし、墓石の解体で発生した石材は産業廃棄物として適正に処分する必要があり、不法投棄は廃棄物処理法違反となります。

Q2. 墓じまいの費用を完全自力で行うと、どこまで抑えられますか?

A. 改葬許可の手数料(数百円程度)と閉眼供養のお布施(一般的に3万〜10万円程度)が最低限の費用です。改葬先を合祀墓にすれば、トータルで10万円程度に収まるケースもあります。ただし墓石の自力解体には事故リスクが伴うため、安全面と天秤にかけて判断してください。

Q3. 寺院から高額な離檀料を請求された場合はどうすればいいですか?

A. 離檀料に法的な根拠はなく、支払い義務が法律で定められているわけではありません。国民生活センターには100万円以上の高額請求を受けた相談事例も寄せられています。まずは寺院と冷静に話し合い、それでも折り合いがつかない場合は、消費者ホットライン(局番なし188)や弁護士への相談を検討してください。

Q4. 遺骨が土に還っていて取り出せない場合はどうなりますか?

A. 古い墓では遺骨が土と混ざっている場合があります。この場合、周囲の土ごと取り出して改葬先に納めるか、「残骨」として供養する方法があります。具体的な対応は改葬先の墓地管理者と事前に相談してください。

Q5. 一人っ子で親族への相談相手がいない場合、誰に相談すればいいですか?

A. 自治体の無料法律相談窓口、地域の社会福祉協議会、または墓じまいに対応している行政書士への相談が選択肢です。一人っ子の墓じまいの進め方でも具体的なアドバイスをまとめています。

Q6. 散骨を改葬先として選ぶ場合、どんな注意が必要ですか?

A. 散骨には明確な許可制度がないものの、1991年の法務省見解では「節度をもって行えば違法ではない」とされています。ただし、熱海市や七ヶ浜町など散骨規制条例を制定済みの自治体があり、実施場所によっては条例違反となります。散骨業者を利用する場合も、事前に実施予定地の自治体に確認してください。

Q7. 改葬許可はオンラインで申請できますか?

A. 自治体によって対応状況が異なります。2026年時点では申請書の様式をWebサイトからダウンロードできる自治体が増えており、郵送申請に対応しているケースもあります。オンライン完結型の申請に対応しているかどうかは、該当する市区町村の窓口に直接確認してください。

この記事の著者

なお|葬儀会社 Webマーケティング部

葬儀会社のWebマーケティング部門に3年間従事し、年間2,000件以上の葬儀集客を担当。墓じまい・改葬・永代供養・直葬に関する情報を数多く発信してきた経験をもとに、正確で実用的なコンテンツを提供しています。(運営者情報

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