墓じまいの補助金は、全国でも対象となる自治体が限られており、民営霊園・寺院墓地は基本的に対象外です。ただし、公営墓地(市営・都立霊園など)にお墓がある場合は、数万〜数十万円の補助を受けられる可能性があります。
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この記事を読むと、次の3点がわかります。
- 補助金が出る自治体と条件(大阪府含む全国)
- 「補助金」「免除制度」「還付金」3種類の違い
- 補助金対象外でも使える費用削減の方法
墓じまいの補助金・支援制度には3種類ある
「墓じまいの補助金」という言葉でひとまとめにされていますが、実際には制度の性格が全く異なる3種類があります。この分類を知らずに申請しようとすると、期待していた内容と違うことになります。
| 制度の種類 | 内容 | 代表例 |
|---|---|---|
| 補助金・助成金 | 工事費の一部が現金で支給される | 千葉県市川市・浦安市、群馬県太田市 |
| 原状回復義務の免除 | 墓石撤去の義務が免除される(工事費がかからない) | 東京都立霊園「施設変更制度」 |
| 還付金制度 | 墓地使用料の一部が返還される | 大阪府泉大津市・泉佐野市など |
この3種類を「補助金」とひとまとめにしているサイトが多いですが、受け取れる金額・タイミング・条件が全く異なります。自分のお墓がどの制度に当てはまるかを確認することが最初のステップです。
【全国】補助金・支援制度がある主な自治体
2026年時点で確認できている主な制度は以下のとおりです。対象はいずれも公営墓地の使用者に限られます。
| 自治体 | 制度名 | 種類 | 内容 | 対象 |
|---|---|---|---|---|
| 東京都(都立霊園) | 施設変更制度 | 免除制度 | 墓石撤去費用が免除または合葬施設へ無料移転 | 都立8霊園の使用者 |
| 千葉県市川市 | 霊園一般墓地返還促進事業 | 補助金+還付金 | 墓石撤去費用の助成(限度額あり)+墓地使用料の一部返還 | 市川市霊園の使用者 |
| 千葉県浦安市 | 墓所返還者等支援事業 | 補助金 | 上限15万円の撤去費助成+合祀室改葬許可 | 浦安市墓地公園の使用者 |
| 群馬県太田市 | 八王子山公園墓地 墓石撤去費用助成金 | 補助金 | 撤去費の全額または20万円のいずれか低い方 | 八王子山公園墓地の使用者 |
| 宮城県美里町 | 町屋敷・牛飼共葬墓地 | 補助金 | 原状回復費用の助成 | 対象墓地の使用者 |
上記の自治体に共通する条件が3点あります。①対象は公営墓地(市営・都立)のみで、寺院・民営霊園は対象外です。②工事着手前に申請・承認を得ることが条件で、工事後の申請は原則認められません。③予算に上限があり、年度途中で受付終了になる制度があります。
【大阪府】補助金・支援制度の詳細
大阪府の現状(補助金は限られている)
大阪市・大阪府には全国的な補助金制度はありません。ただし、一部の市町村で還付金・免除制度が設けられています。
| 市町村 | 制度の種類 | 内容 |
|---|---|---|
| 岸和田市 | 囲障撤去免除制度 | 墓所の囲障(外柵)のみ撤去義務を免除 |
| 泉大津市 | 墓地使用料還付制度 | 墓地返還時に使用料の一部が還付される |
| 泉佐野市 | 墓地使用料還付制度 | 墓地返還時に使用料の一部が還付される |
大阪市・堺市・東大阪市などの主要都市には現時点で補助制度がありません。お墓が大阪にある場合は、まずお墓がある市町村の窓口(生活環境課・市民課等)に制度の有無を確認することをお勧めします。
大阪府で補助金対象外の場合にできること
大阪の民営霊園・寺院墓地のお墓は補助金対象外です。この場合でも以下の方法で費用を抑えることができます。
- 石材店を複数社で比較する(霊園の指定石材店には頼まない)
- 改葬先を合葬墓・樹木葬など費用の安い選択肢にする
- 閑散期(1〜2月・6〜7月)に工事を依頼する
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申請の一般的な流れ
補助金の申請には決まった手順があります。特にステップ4の「承認を受けてから工事を発注する」という順番を守ることが最重要です。
| ステップ | やること | 注意点 |
|---|---|---|
| 1 | お墓がある市区町村の窓口に制度の有無を確認する | 自分が住む自治体ではなくお墓がある自治体に確認 |
| 2 | 申請書類を取得する | 自治体のHPでダウンロード可能な場合も |
| 3 | 必要書類を準備して申請する | 見積書・墓地使用許可証等が必要な場合が多い |
| 4 | 承認を受けてから工事を発注する | ★工事前の承認が必須。これを守らないと補助金は受け取れない |
| 5 | 工事完了後に完了報告書と領収書を提出する | 提出期限がある |
| 6 | 補助金が口座に振り込まれる | 数週間〜数ヶ月かかる場合がある |
絶対にやってはいけないこと
多くの補助制度は、工事着手前の申請・承認が条件です。工事を終わらせてから申請しても、遡って補助金が支給されることは基本的にありません。「補助金があると知ったのが工事後だった」というケースが実際に存在します。墓じまいを始める前に、必ず補助制度の有無を確認してください。
また、年度途中で予算上限に達すると受付終了になる制度もあります。補助金を活用したい場合は、年度初め(4〜6月)に動くことをお勧めします。
補助金が対象外でも墓じまいの費用を抑える3つの方法
補助金の対象外だった場合も、費用を抑える方法はあります。以下の3つを組み合わせることで、総額を大幅に下げることができます。
方法①|石材店を霊園に行く前に選ぶ
民営霊園・寺院墓地の墓じまいで最も費用が変わるのが石材店の選び方です。霊園の窓口に行くと自動的に指定石材店が決まり、比較できなくなります。事前に一括見積もりサービスで複数社を比較することが、数十万円の節約につながります。
詳しくは:指定石材店の罠と信頼できる業者の選び方
方法②|改葬先を費用の安い選択肢にする
改葬先が墓じまいの総費用を左右します。合葬墓(5万〜30万円)を選ぶことで、一般墓(100万〜300万円超)と比較して数百万円の差が生まれます。改葬先の選択は費用の中で最も影響が大きい決断です。
改葬先別の費用比較:墓じまいの費用相場|改葬先別の総額を解説
方法③|東京都立霊園の「施設変更制度」を使う
公営墓地の中でも特に有利な制度として、東京都立霊園の「施設変更制度」があります。対象は多磨霊園・小平霊園・八柱霊園など都立8霊園の使用者で、墓石の撤去費用が免除されるか、都立合葬施設へ無料移転できます。申請時期や詳細は都立霊園の管理事務所に問い合わせてください。
よくある質問
Q1. 民営霊園・寺院のお墓は補助金の対象になりますか?
基本的に対象外です。補助金は公営墓地(市区町村・都道府県が運営する霊園)のみが対象になります。ただし自治体によって制度の内容が異なるため、お墓がある市区町村の窓口に確認することをお勧めします。民営霊園・寺院のお墓でも、石材店の比較や改葬先の選択で費用を大幅に抑えることは可能です。
Q2. 補助金はいつ受け取れますか?
工事完了後の書類提出から数週間〜数ヶ月かかる場合が多いです。工事費用は一度自分で立て替えて、後から補助金が振り込まれる仕組みが一般的です。補助金が振り込まれるまでの期間を見越した資金計画を事前に立てておいてください。
Q3. 補助金の申請は誰でもできますか?
墓地の使用者(名義人)または委任状を持つ代理人が申請できます。代行業者に申請を任せることも可能ですが、委任状が必要な場合があります。申請者の条件は自治体によって異なるため、窓口に事前確認することをお勧めします。
Q4. 補助金をもらうと確定申告は必要ですか?
自治体から受け取る補助金は「非課税」とされるケースが多いです。ただし金額・用途によって扱いが異なる場合があります。心配な場合は税務署または税理士に確認することをお勧めします。
まとめ
この記事で解説した内容を整理します。
- 補助金の対象は公営墓地のみ。民営霊園・寺院は対象外が基本
- 制度は「補助金」「原状回復義務免除」「還付金」の3種類がある
- 申請は必ず工事前に。工事後の申請は原則認められない
- 予算上限があるため年度初め(4〜6月)に動くのが有利
- 対象外でも石材店の比較・改葬先の選択で費用は大幅に変わる
まず自分のお墓がある市区町村の窓口(生活環境課・市民課)に電話1本で制度の有無を確認してください。対象外だった場合は、一括見積もりで費用を比較することから始めてください。


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