納骨堂の費用は、施設の種類や経営する団体、使う期間によって大きく変わります。この記事では、お墓の購入者を対象にした調査と、自治体が運営する公営の納骨堂の公式の料金をもとに、納骨堂の費用の目安と内訳、契約の前に確かめたいことをまとめました。
この記事の結論
- 納骨堂の平均購入金額は81.5万円(前年は79.3万円。株式会社鎌倉新書の2026年の調査)
- 公営の納骨堂は、横浜市の自動搬送式が30年48.4万円(別に管理料)、静岡市の期限付収蔵が1体1年5,330円など、施設によって料金の形がまったく違う
- 使用期間が決まっている施設には、期間が終わると合葬の施設へ移す決まりのもの(大分市など)や、更新・引取り・合葬から選ぶもの(横浜市など)がある。合葬した遺骨は返してもらえない
納骨堂とは
納骨堂は、法律で「他人の委託をうけて焼骨を収蔵するために、納骨堂として都道府県知事の許可を受けた施設」と定められています(墓地、埋葬等に関する法律 第2条第6項)。屋内の施設が多く、天候に左右されずにお参りできるのが特徴です。
鎌倉新書の調査では、納骨堂の種類として「ロッカー式」「仏壇式」「墓石式」「自動搬送式」などが挙げられ、種類によって価格帯が大きく違うとされています。墓石式は墓石の代金がかかるため高くなる傾向があります。自動搬送式は、専用のカードをかざすと遺骨を納めた厨子(箱)が参拝ブースへ自動で運ばれてくる形式です(横浜市の日野こもれび納骨堂の案内)。
納骨堂の費用相場|調査の数字
鎌倉新書の「第17回 お墓の消費者全国実態調査(2026年)」では、納骨堂の平均購入金額は81.5万円で、前年の79.3万円から2.2万円増えました。この調査は、2025年に「いいお墓」を通じてお墓を購入した人が対象です。同じ調査で、購入したお墓の種類は、樹木葬が47.4%、合祀墓・合葬墓が16.4%、納骨堂が15.5%、一般墓が15.2%でした。種類別の納骨堂の平均価格は公表されていません。
また、前年の2025年の調査では、年間管理費が「かからない」と答えた人の割合は、納骨堂で46.7%でした(一般墓は28.5%、樹木葬は83.0%)。納骨堂を購入した人の半数近くが、年間管理費はかからないと答えたことになります。(出典:「第17回 お墓の消費者全国実態調査(2026年)」(株式会社鎌倉新書「いいお墓」)(https://www.kamakura-net.co.jp/newstopics/12153/)、「第16回 お墓の消費者全国実態調査(2025年)」(株式会社鎌倉新書「いいお墓」)(https://www.kamakura-net.co.jp/newstopics/11248/))
公営の納骨堂の料金(自治体の公式の案内から)
神奈川県内の市営の合葬墓・納骨堂(横浜市・川崎市・相模原市など)の料金と申し込みの条件は「神奈川の永代供養・納骨堂の費用」にまとめています。
自治体が運営する納骨堂は、料金が公開されています。料金の形(一括か年払いか、使う期間)が施設ごとに違うので、並べて比べてみましょう。
| 施設 | 料金 | 使う期間とその後 |
|---|---|---|
| 横浜市 日野こもれび納骨堂(自動搬送式)|2026年度募集 | 使用料484,000円。管理料は年9,900円(満了後に合同埋蔵を選ぶ場合は、30年分297,000円の一括払いも可) | 30年。満了後は「更新」「遺骨の引取り」「合同埋蔵墓に埋蔵」から選ぶ |
| 横浜市 日野こもれび納骨堂(合葬式・1体)|2026年度募集 | 使用料74,800円+管理料46,200円 | 60年 |
| 札幌市 平岸霊園 家族納骨壇(第1種) | 1基1年11,800円 | 1年ごとの許可 |
| 札幌市 合同納骨塚 | 1体9,100円(永代) | 収蔵した遺骨は返還しない |
| 静岡市 愛宕霊堂(期限付収蔵) | 1体1年5,330円 | 1〜30年で選べ、更新できる |
| 静岡市 愛宕霊堂(永年収蔵) | 1体106,790円 | 合葬方式。遺骨は返還できない |
| 大分市 市営納骨堂(間接参拝壇)|2025年度 | 30年198,000円 | 期間が終わると合葬室へ移す |
東京都の都立霊園には、骨壺のまま施設内の棚に納める、納骨堂に近い形のお墓として「立体埋蔵施設」があります(2026年度の募集は、青山霊園が使用料940,000円・21か所・倍率8.4倍、染井霊園が1,501,000円・32か所・倍率2.8倍)。使用料に管理料が含まれ、遺骨は使用の許可から20年間個別に埋蔵した後に共同埋蔵され、その後は取り出せません。都立霊園の料金と条件は「東京の納骨堂・永代供養の費用」で解説しています。
公営の納骨堂は、その市に住んでいることなどの申込みの条件があり、募集の時期が決まっているものや、抽選になるものもあります。申し込む前に、各施設の案内で条件を確かめてください。(出典:横浜市「市営墓地の使用者募集」、東京都「令和8年度 都立霊園の使用者募集」、東京都「令和8年度 都立霊園の応募状況」、札幌市墓地条例、静岡市「愛宕霊堂」、大分市 市営納骨堂の案内)
納骨堂の費用の内訳
| 費用 | 中身 |
|---|---|
| 使用料 | 納骨堂を使う権利の代金。使う期間(30年・60年・永年など)と区画の大きさで決まる |
| 管理料 | 施設の維持のための費用。年払いの施設、全期間分を一括で払う施設、使用料に含まれる施設がある |
| お布施など | 寺院が運営する納骨堂では、納骨や法要のお布施がかかることがある。金額は寺院に確認 |
管理料が年払いの施設では、長く使うほど総額が増えます。たとえば横浜市の日野こもれび納骨堂の管理料は、年9,900円を30年払うと297,000円で、30年分を一括で払う額と同じです(一括払いは、満了後に合同埋蔵を選ぶ場合に選べます)。契約のときは「使用料+使う年数分の管理料」で総額を比べましょう。
使用期間が終わった後と、合葬
使う期間が決まっている納骨堂には、期間が終わると遺骨を合葬の施設へ移す決まりのものがあります。大分市の間接参拝壇(30年)が、この形です。横浜市の日野こもれび納骨堂の自動搬送式(30年)は、満了後に「更新」「遺骨の引取り」「合同埋蔵墓に埋蔵」から選びます。静岡市の期限付収蔵も、期間を更新できます。
一度合葬された遺骨は、ほかの方の遺骨と一緒になるため、返してもらえません。札幌市の条例は「合同納骨塚に収蔵された遺骨等は、返還しない」と定め、静岡市の永年収蔵も返還できないとしています。合葬を選ぶ前に、家族で話し合っておきましょう。
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遺骨を郵送して、お寺に納めたい方へ
株式会社goennの「おくるだけ、納骨」は、届いた専用キットで遺骨を送り、同社の提携の寺院(千葉県野田市・三重県鈴鹿市・東京都台東区)に納めてもらうサービスです。納め方は寺院ごとに違い、台東区の寺院は合祀の場所を設けておらず、遺骨の安置を受けるとしています。料金は88,000円(税込み。送骨キットと送料を含む)。申し込みには、遺骨に合わせて火葬許可証・改葬許可証・分骨証明書のいずれかと、本人確認書類が要ります。同社のサイトには、納骨後の遺骨は返還できないこと、遺骨の状態によっては預かれない場合があること、遺骨を発送した後はキャンセルも返金もできないことが書かれています。
※お墓から取り出した遺骨を送るときは、受入証明書が要るかを今のお墓がある市区町村で確かめてください。受入証明書を出してもらえるかや、どの寺院にどのような形で納めるかは、同社のサイトでお問い合わせください。
経営する団体と、契約の前に確かめたいこと
2024年度末の時点で、全国の納骨堂は13,853施設あります。経営主体の内訳は、宗教法人が10,244、地方公共団体が760、公益社団・財団法人が115、その他が2,734です(厚生労働省「衛生行政報告例」)。墓地の経営主体は、厚生労働省の「墓地経営・管理の指針」で、地方公共団体が原則、それが難しい場合も宗教法人や公益法人等に限られるとされ、営利企業を経営主体と認めることは適当でないとされています。厚生労働省は2022年の事務連絡で、納骨堂についてもこの指針の趣旨を踏まえた指導監督を自治体に求めています。販売の窓口が民間の会社でも、許可を受けた経営主体がどこかを確かめましょう。
この事務連絡は、納骨堂が実質的に経営破綻し、遺骨の引き取りにも支障が生じている事案が報道されたことを受けたもので、その納骨堂では、墓地埋葬法などの法令で備えておく必要がある財産目録や貸借対照表などの財務書類が備えられていなかったとしています。(出典:e-Stat「衛生行政報告例」第5表、厚生労働省「墓地経営・管理の指針等について」、厚生労働省 事務連絡(令和4年10月28日))
契約の前に確かめたいこと:
- 許可を受けた経営主体はどこか(宗教法人・自治体・公益法人など)
- 使用料と管理料の総額(使う年数分で計算する)
- 使う期間と、期間が終わった後の扱い(更新できるか、合葬になるか)
- 管理料を払えなくなったときの扱い
- 契約書や規約を事前にもらって読めるか
- お参りできる時間と、交通の便
今あるお墓から納骨堂へ移す場合(墓じまい)
お墓から遺骨を別の場所へ移す「改葬」の件数は、2022年度の151,076件、2023年度の166,886件、2024年度の176,140件と増えています(厚生労働省「衛生行政報告例」)。鎌倉新書の「第4回 改葬・墓じまいに関する実態調査(2026年)」(「いいお墓」で資料請求や霊園見学をした人のうち、改葬・墓じまいを検討・実施した人が対象)では、墓じまい後の移し先は、合祀・合葬墓が43.2%、樹木葬が24.1%、一般墓が14.3%、納骨堂が13.3%でした。
今のお墓から納骨堂へ移すには、今のお墓がある市区町村から改葬の許可を受ける必要があります(墓地、埋葬等に関する法律 第5条)。納骨堂の管理者は、改葬許可証を受け取った後でなければ、遺骨を収蔵できません(同 第14条第2項)。改葬許可の手数料は自治体によって違います(たとえば静岡県磐田市は1件300円)。
納骨堂のほかの移し先と、移し先ごとの割合・費用の例は「墓じまい後の遺骨はどうする?」で比べています。
墓じまいの費用は、同じ調査で「31万円~70万円」が31.3%で最も多く、約48%が70万円以下でした(改葬・墓じまいをした・している人への質問。撤去の費用だけか、移す先の費用も含むかの内訳は示されていません)。費用には、今のお墓の墓石を撤去して更地に戻す工事の費用が含まれます。同じ調査では、墓じまいをやめた理由の1位が「解体費用が高すぎた」(22.2%)でした。撤去の費用は石材店によって違うため、複数の見積もりを比べてから決めましょう。費用の相場と内訳は「墓じまい費用の相場と内訳」、補助金は「墓じまいの補助金・助成金がある自治体」で解説しています。(出典:「第4回 改葬・墓じまいに関する実態調査(2026年)」(株式会社鎌倉新書「いいお墓」)(https://www.kamakura-net.co.jp/newstopics/12200/))
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墓石の撤去工事の費用を、比べてから決めたい方へ
墓石ナビは、同社の審査を通った石材店から無料で一括見積もりを取れるサービスです。同社のサイトでは、墓じまい(墓石の撤去)を頼むときも、複数の石材店の見積もりを比べるよう案内しています。同社のサイトには、民営霊園のお墓は受け付けていないとも書かれているため、墓地の種類(公営・民営・お寺の墓地)と、霊園やお寺に指定の石材店があるかを、先に確かめてください。
見学のときのチェックリスト
- お参りのしやすさ(駅からの距離、開いている時間、駐車場)
- 参拝のスペースの広さと、混み具合
- 遺骨を納める場所の大きさ(何体まで納められるか)
- 宗教・宗派の条件の有無
- 法要ができる場所があるか
- 料金表と契約書の内容(上の「契約の前に確かめたいこと」)
1か所だけで決めず、いくつかの施設を見て比べると、料金と条件の違いが分かりやすくなります。
よくある質問
納骨堂の費用は、平均でいくらですか?
鎌倉新書の2026年の調査では、納骨堂の平均購入金額は81.5万円でした。この記事で取り上げた公営の納骨堂でも、静岡市の期限付収蔵(1体1年5,330円)、札幌市の合同納骨塚(1体9,100円・永代)、横浜市の日野こもれび納骨堂の自動搬送式(30年48.4万円+管理料)と、料金の形も金額も大きく違います。
管理料を払わなくてよい納骨堂はありますか?
あります。鎌倉新書の2025年の調査では、納骨堂を購入した人の46.7%が、年間管理費は「かからない」と答えています。公営でも、札幌市の合同納骨塚(1体9,100円・永代)のように最初の使用料だけで毎年の管理料がかからない施設や、横浜市の日野こもれび納骨堂の合葬式のように60年分の管理料を最初に一括で払う施設があります。総額で比べましょう。
使用期間が終わったら、遺骨はどうなりますか?
施設の決まりによります。大分市の間接参拝壇は、期間が終わると合葬室へ移す決まりです。横浜市の日野こもれび納骨堂(自動搬送式)は、更新・遺骨の引取り・合同埋蔵から選びます。合葬された遺骨は返してもらえないため、契約の前に確かめておきましょう。
今のお墓から納骨堂へ移すには、何が必要ですか?
今のお墓がある市区町村から改葬の許可を受け、改葬許可証を納骨堂に出す必要があります。申請には、今のお墓の管理者が出す埋蔵の証明などが必要です。必要な書類と手数料は、市区町村の案内で確かめてください。
経営が心配です。何を確かめればよいですか?
許可を受けた経営主体(宗教法人・自治体・公益法人など)がどこかを確かめましょう。経営が破綻した納骨堂では、墓地埋葬法などの法令で備えておくべき財務書類が備えられていなかった事案がありました。契約書や規約を事前に読み、期間が終わった後の扱いも確かめておくと安心です。
まとめ
- 納骨堂の平均購入金額は81.5万円(鎌倉新書・2026年)
- 公営の納骨堂は、料金の形(一括・年払い・使う期間)が施設ごとに違う。総額で比べる
- 期間が終わると合葬の施設へ移す決まりの施設があり、合葬した遺骨は返してもらえない
- 許可を受けた経営主体と、契約書・規約を事前に確かめる
- 今のお墓から移す場合は、改葬の許可と、墓石の撤去の見積もりが必要
今のお墓を閉じてから納骨堂へ移す方は、撤去の見積もりを早めに取っておくと、全体の費用が見えてきます。見積書で確かめることは「墓じまいの見積もり」でまとめています。
この記事で使った資料(2026年10月に確認)
- 「第17回 お墓の消費者全国実態調査(2026年)」(株式会社鎌倉新書「いいお墓」)(https://www.kamakura-net.co.jp/newstopics/12153/)、「第16回 お墓の消費者全国実態調査(2025年)」(同)(https://www.kamakura-net.co.jp/newstopics/11248/)、「第4回 改葬・墓じまいに関する実態調査(2026年)」(同)(https://www.kamakura-net.co.jp/newstopics/12200/)を基に当サイトで作成
- 墓地、埋葬等に関する法律(e-Gov法令検索)
- 厚生労働省「墓地経営・管理の指針等について」「事務連絡(令和4年10月28日)」「衛生行政報告例」
- 横浜市・東京都・札幌市・静岡市・大分市の各公式ページ(上の表の出典)
この記事を書いた人 大手葬儀会社Web事業部に3年間在籍。年間2,000件以上の葬儀集客・月数千万円超の広告運用・月間1,000万PV超のコンテンツ制作を担当した現場経験者が執筆しています。
※アイキャッチ画像は、AIで生成したイメージです。


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