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墓じまい後の遺骨はどうする?移し先の割合【2026年調査】と6つの選択肢の費用・手続き

墓じまいの後の遺骨 移し先の割合と費用・手続き 墓じまい

墓じまいを決めたあと、取り出した遺骨をどこへ移すかで迷っている方に向けて、選べる移し先と、それぞれの費用の例・手続きをまとめました。墓じまいをした人への調査、お墓の購入者への調査、東京都・横浜市などの公式の料金、墓地、埋葬等に関する法律と自治体の案内をもとにしています。

この記事の結論

  • 墓じまいの後の遺骨の移し先で最も多いのは、ほかの方の遺骨と一緒に納める合祀墓・合葬墓(43.2%)。次いで樹木葬24.1%、一般墓14.3%、納骨堂13.3%、散骨1.3%(株式会社鎌倉新書の2026年の調査・回答398人)
  • 費用は移し先で大きく違う。お墓の購入者への調査の平均は、一般墓152.0万円、納骨堂81.5万円、樹木葬71.7万円。公営の合葬墓は、都立小平霊園が遺骨1体58,000円、大阪市が50,000円(すぐに合葬する場合・市内の人)など(2026年度)
  • ほかの方の遺骨と一緒にした(合葬した)後は、遺骨を取り出せない。都立霊園や名古屋市のように、骨壺のまま個別に納める期間の中でも返してもらえない施設もある。家族で決めてから申し込む
  • ほかのお墓や納骨堂へ移すときは、今のお墓がある市区町村の改葬許可が要る。散骨のために取り出すときの扱いは市区町村で違い(東京都)、自宅に引き取るときは改葬に当たらないとする市もある(八王子市)。必要な書類は窓口で確かめる

墓じまいをした人は、遺骨をどこへ移したか

株式会社鎌倉新書の「第4回 改葬・墓じまいに関する実態調査(2026年)」では、遺骨の引っ越し(改葬)先は次のとおりでした。

遺骨の引っ越し(改葬)先割合(回答398人)
合祀墓・合葬墓43.2%
樹木葬24.1%
一般墓(墓石があるお墓)14.3%
納骨堂13.3%
散骨1.3%
その他3.8%

前回の調査(2024年)と比べると、合祀墓・合葬墓は30.9%から増え、一般墓は22.3%から減りました。調査の発表は、合祀墓・合葬墓・樹木葬・納骨堂を「継承者を必要としない供養形態」とまとめ、これを選んだ人は約8割にのぼるとしています。

この調査の対象は、2024年10月〜2025年9月に、お墓の情報サイト「いいお墓」で霊園の資料請求や見学をした人のうち、改葬・墓じまいを検討したか実施した人(有効回答733件)です。新しい移し先を探していた人が中心のため、散骨や自宅で保管する人は、実際より少なく出ている可能性があります。(出典:「第4回 改葬・墓じまいに関する実態調査(2026年)」(株式会社鎌倉新書「いいお墓」)(https://www.kamakura-net.co.jp/newstopics/12200/、調査結果の全文 https://guide.e-ohaka.com/research/survey_hakajimai_2026/))

6つの移し先の比較

移し先どんな形か費用の例あとから遺骨を取り出せるか改葬許可
合祀墓・合葬墓ほかの方の遺骨と一緒に納め、管理者が供養する公営の例は遺骨1体9,100円〜240,000円(都立小平霊園58,000円、大阪市50,000円〜など)一緒にした後は取り出せない要る
樹木葬墓地の区域を樹木や草花で飾ったお墓平均71.7万円。公営の例は都立多磨霊園の樹林型95,000円など合葬する形は取り出せない要る
納骨堂許可を受けた建物などに遺骨を納める平均81.5万円個別に納める期間は施設の決まりによる要る
一般墓墓石を建てる、継いでいく前提のお墓平均152.0万円改葬すれば移せる要る
散骨粉状にした遺骨を海などにまく事業者の料金によるまいた遺骨は戻せない市区町村で扱いが違う
自宅で保管(手元供養)遺骨を家の中に置いて供養する骨壺や置き場所による自由に動かせる改葬に当たらないとする市がある(八王子市)

平均の金額は、鎌倉新書の「第17回 お墓の消費者全国実態調査(2026年)」(2025年に「いいお墓」を通じてお墓を購入した人が対象・1,267件の回答)の平均購入金額です。地域別の平均は公表されていません。公営の料金は2026年度の額で、くわしくは各節で紹介します。(出典:「第17回 お墓の消費者全国実態調査(2026年)」(株式会社鎌倉新書「いいお墓」)(https://www.kamakura-net.co.jp/newstopics/12153/、調査結果の全文 https://guide.e-ohaka.com/research/survey_2026/))

合祀墓・合葬墓

合祀墓・合葬墓は、複数の方の遺骨を1つのお墓に一緒に納め、お墓の管理・運営者が遺族に代わって供養する形です(鎌倉新書「第17回 お墓の消費者全国実態調査(2026年)」の定義)。納めた時点でほかの方の遺骨と一緒にする形と、一定の期間は骨壺のまま個別に納め、期間が過ぎてから一緒にする形があります。

自治体が運営する公営の合葬墓は、施設によって、住んでいる期間の条件や、年に1回の募集・抽選があります(都立霊園・横浜市・川崎市など)。大阪市や名古屋市のように、年度の中で先着順・随時に受け付ける施設もあります。次の表は、各自治体の公式の案内で確かめた、2026年度の料金(遺骨1体分)の例です。

施設1体分の料金納め方主な条件
東京都立 小平霊園 合葬埋蔵施設58,000円納骨の後、すぐにほかの遺骨と一緒に埋蔵都内に続けて3年以上。募集・抽選(2026年度は7月に受付を終え、倍率19.4倍)
東京都立 多磨霊園 合葬埋蔵施設61,000円使用の許可から20年間は骨壺のまま。その後、一緒に埋蔵同上(倍率8.6倍)
東京都立 八柱霊園 合葬埋蔵施設53,000円(すぐに一緒に埋蔵)/131,000円(20年後に一緒に埋蔵)2つの方法から選ぶ都内か千葉県松戸市に続けて3年以上(倍率1.4倍)
横浜市 日野こもれび納骨堂 合葬式納骨施設使用料74,800円+管理料46,200円(60年)粉状にした遺骨を袋に入れて個別に収蔵(粉骨の費用は別)。60年たって引き取りの申出がなければ合同埋蔵墓へ(埋蔵した後は引き取れない)原則として市内に3か月以上。9月に募集(2026年度の受付は終了)
川崎市 緑ヶ丘霊園 合葬型墓所使用料70,000円+管理料30,550円(永年分を一括)遺骨袋に移して一緒に埋蔵原則として市内に1年以上。2026年度は11月1日〜30日に郵送で受付。市営墓地を返して移す人は、募集とは別に随時受付
札幌市 合同納骨塚9,100円(以後の管理料なし)ほかの方の遺骨と一緒に収蔵。納骨後の引き取りはできない申請のときに札幌市民で、親族の遺骨を管理している人など。札幌市営霊園・墓地を返して移す人は市民でなくても可。生前予約は不可
大阪市 瓜破霊園 合葬式墓地50,000円(すぐに合葬)/100,000円(10年間保管後に合葬)/150,000円(20年間保管後に合葬)。以後の管理料はかからない。市外の人は1.5倍選んだ方法で合葬手元の遺骨は、市内に住民登録3か月以上の人。市設霊園を返して移す人などは市外でも可。2026年度は2027年3月7日までの先着順
名古屋市 みどりが丘公園 合葬式墓地共同埋蔵墓120,000円(市外144,000円)/個別埋蔵墓200,000円(市外240,000円)。管理料はかからない個別埋蔵墓は使用の許可から20年後に共同埋蔵墓へ住む場所の条件はなく、料金が違う。2026年度は2027年3月6日までの随時募集

都立霊園の合葬埋蔵施設と樹林型は、今のお墓から移す遺骨(改葬の遺骨)でも申し込めます。大阪市は、申込みに必要な書類(遺骨を持っていることが分かる書類)の例に、改葬許可証を挙げています。名古屋市のみどりが丘公園は、園内の一般墓地を使っている人が墓じまいを考えているときは、申し込む前に事務所へ相談するよう案内しています。

名古屋市の八事霊園のお墓を返して、遺骨を移すときの手続きと費用は「八事霊園の墓じまい費用と手続き」でまとめています。

大阪市の瓜破霊園のお墓を返して、同じ霊園の合葬式墓地などへ移すときの手続きと費用は「瓜破霊園の墓じまい費用と手続き」でまとめています。

都立霊園では、合葬埋蔵施設に納めた後は、20年間骨壺のまま納める形でも、遺骨を返してもらうこと(改葬や自宅への引き取り)はできません。川崎市の合葬型墓所も、埋蔵した後は取り出せないと案内しています。札幌市の条例は「合同納骨塚に収蔵された遺骨等は、返還しない」と定め、みどりが丘公園も、合葬式墓地に埋蔵された遺骨は一切返還できないとしています。横浜市の日野こもれび納骨堂の合葬式納骨施設は、60年の期間が終わるときに引き取りを申し出ることができ、合同埋蔵墓に埋蔵した後は引き取れません。

都立霊園と横浜市は、2026年度の受付がすでに終わっています。申込みの条件と料金は、年度ごとの募集の案内で決まるため、申し込む前に、次の年度の案内を確かめましょう。都立霊園の倍率や納め方は「東京の納骨堂・永代供養の費用相場」、神奈川の市営の施設は「神奈川の永代供養・納骨堂の費用」でくわしく解説しています。(出典:東京都「令和8年度 都立霊園の使用者を募集します」、「令和8年度 都立霊園 使用者募集のしおり」、東京都「令和8年度 都立霊園公募受付状況と抽選会について」、横浜市「市営墓地・納骨堂の使用者募集」・「令和8年度横浜市営墓地・納骨堂申込みのしおり」、「第17回 お墓の消費者全国実態調査(2026年)」(株式会社鎌倉新書「いいお墓」)、川崎市「令和8年度 市営霊園利用者の募集について」、札幌市墓地条例、札幌市「札幌市合同納骨塚について」、大阪市「令和8年度 大阪市設瓜破霊園内合葬式墓地の使用者を募集します」・募集チラシ、名古屋市「名古屋市みどりが丘公園墓地」、みどりが丘公園(指定管理者)「合葬式墓地の募集」・「合葬式墓地」)

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遺骨を郵送して、お寺に納めたい方へ

株式会社goennの「おくるだけ、納骨」は、届いた専用キットで遺骨を送り、同社の提携の寺院(千葉県野田市・三重県鈴鹿市・東京都台東区)に納めてもらうサービスです。納め方は寺院ごとに違い、台東区の寺院は合祀の場所を設けておらず、遺骨の安置を受けるとしています。料金は88,000円(税込み。送骨キットと送料を含む)。申し込みには、遺骨に合わせて火葬許可証・改葬許可証・分骨証明書のいずれかと、本人確認書類が要ります。同社のサイトには、納骨後の遺骨は返還できないこと、遺骨の状態によっては預かれない場合があること、遺骨を発送した後はキャンセルも返金もできないことが書かれています。

※お墓から取り出した遺骨を送るときは、受入証明書が要るかを今のお墓がある市区町村で確かめてください。受入証明書を出してもらえるかや、どの寺院にどのような形で納めるかは、同社のサイトでお問い合わせください。

おくるだけ、納骨の公式サイトを見る →

樹木葬

樹木葬は、お墓の区域を樹木や草花で飾ったお墓です(鎌倉新書の調査の定義。樹林墓地なども含みます)。法律に「樹木葬」という決まりはなく、焼骨を土に納める(埋蔵する)ことは、許可を受けた墓地の中でしかできません(墓地、埋葬等に関する法律 第4条)。

鎌倉新書の2026年の調査では、樹木葬の平均購入金額は71.7万円で、お墓を購入した人の47.4%が樹木葬を選んでいました。公営では、都立多磨霊園の樹林型合葬埋蔵施設が遺骨1体95,000円(粉状の遺骨は31,000円)、千葉市の合葬式樹木葬墓地が1体60,000円(粉状の納骨は40,000円)です(いずれも2026年度)。どちらも、ほかの方の遺骨と一緒に埋蔵し、返してもらうことはできません。

この記事で紹介した公営の樹木葬と合葬墓は、どれも1体ごとの料金です。1体ごとの料金の場合、先祖代々の遺骨が何体もあると、そのぶん総額が増えます。千葉市の合葬式樹木葬墓地は、1つの骨壺に複数の遺骨が納められている場合も、体数分の申込みと使用料が必要としています。今のお墓に何体の遺骨があるかを、先に確かめておきましょう。くわしくは「樹木葬の費用相場」で解説しています。(出典:鎌倉新書「第17回 お墓の消費者全国実態調査(2026年)」、東京都「令和8年度 都立霊園の使用者を募集します」、千葉市 合葬式樹木葬墓地のしおり、墓地、埋葬等に関する法律(e-Gov法令検索))

納骨堂

納骨堂は、他人の委託を受けて焼骨を収蔵するために、納骨堂として都道府県知事の許可を受けた施設です(墓地、埋葬等に関する法律 第2条第6項)。施設によって作りが違い、たとえば横浜市の日野こもれび納骨堂には、専用のカードをかざすと遺骨を納めた厨子(箱)が参拝ブースへ自動で運ばれてくる施設もあります。

鎌倉新書の2026年の調査では、納骨堂の平均購入金額は81.5万円でした。前年の調査では、納骨堂を購入した人のうち、年間管理費が「かからない」と答えた人は46.7%でした。使用料のほかに毎年の管理料がかかるかどうかで総額が変わるため、使う年数分の合計で比べましょう。

個別に納める期間が終わると合葬に移る施設もあります。厚生労働省の「墓地経営・管理の指針」は、契約書と重要事項の説明書を作って、契約の内容を利用者に十分説明するよう求め、「永代使用」と表示しながら、実際は管理料を払い続ける形や、期限を更新していく形であることもあるとしています。2022年10月には、納骨堂が実質的に経営破綻し、遺骨の引き取りにも支障が生じている事案が報道されたとして、厚生労働省が墓地や納骨堂の指導監督を徹底するよう自治体に求めました。契約の前に、許可を受けた経営主体(自治体・宗教法人・公益法人など)と、個別に納める期間・その後の扱いを書面で確かめましょう。くわしくは「納骨堂の費用相場」で解説しています。(出典:鎌倉新書「第17回 お墓の消費者全国実態調査(2026年)」、「第16回 お墓の消費者全国実態調査(2025年)」(株式会社鎌倉新書「いいお墓」)(https://www.kamakura-net.co.jp/newstopics/11248/、調査結果の全文 https://guide.e-ohaka.com/research/survey_2025/)、横浜市「令和8年度横浜市営墓地・納骨堂申込みのしおり」、厚生労働省「墓地経営・管理の指針等について」、厚生労働省 事務連絡(令和4年10月28日))

一般墓(新しいお墓)

墓石を建てる一般のお墓へ移す人は、鎌倉新書の2026年の改葬の調査で14.3%でした(前回は22.3%)。今住んでいる家の近くに新しくお墓を建てて、遠くのお墓から遺骨を移す形などがあります。同じ会社のお墓の購入者への調査では、一般墓の平均購入金額は152.0万円(うち墓石代101.7万円、土地利用料46.5万円)でした。継いでいく前提のお墓なので、次に誰が管理するかも家族で話し合っておきましょう。費用の内訳は「お墓を建てる費用と手順」で解説しています。(出典:鎌倉新書「第4回 改葬・墓じまいに関する実態調査(2026年)」、「第17回 お墓の消費者全国実態調査(2026年)」)

散骨

散骨は、遺骨を粉状にして、海などにまく方法です。東京都保健医療局は、散骨について国が「墓地、埋葬等に関する法律においてこれを禁止する規定はない」との見解を示していると紹介したうえで、トラブルが生じないよう人々の宗教的感情に十分に配慮することが必要だとし、念のため地元の自治体に確認することを勧めています。

散骨について決まりを設けている自治体もあります。一般財団法人地方自治研究機構は、2026年4月1日時点で確認できる散骨を規制する条例として、16の条例を挙げています。たとえば北海道長沼町の条例は「何人も、墓地以外の場所で焼骨を散布してはならない。」と定めています。静岡県熱海市は、海洋散骨を行う事業者向けのガイドラインで、市内の土地(初島を含む)から10キロメートル以上離れた海域で行うことなどを求めています。散骨する場所の自治体の決まりを確かめましょう。(出典:一般財団法人地方自治研究機構「散骨を規制する条例」、長沼町さわやか環境づくり条例、熱海市「熱海市海洋散骨事業ガイドライン策定」)

海にまいた遺骨は戻せません。家族の中に迷う人がいるときは、遺骨の一部を散骨し、残りを手元やお墓に残す方法もあります。散骨の費用は「散骨の費用はいくら?」、後悔やトラブルを防ぐ方法は「海洋散骨で後悔しないために」、墓じまいから散骨までの流れは「墓じまいと散骨を業者に依頼する手順」で解説しています。(出典:東京都保健医療局「散骨に関する留意事項」)

自宅で保管する(手元供養)

東京都保健医療局のよくある質問は、自宅の仏壇にある骨壺の遺骨を墓地や納骨堂に預けなければいけないか、という問いに、「墓地、埋葬等に関する法律では、自宅での焼骨の保管については特に規定はありません」と答えています。一方で、遺骨を埋めて納める「埋蔵」は、墓地以外の区域で行ってはならないとされています(同法 第4条)。自宅の庭などに遺骨を埋めることはできません。

お墓から取り出して自宅に置くときについて、たとえば東京都八王子市は、移し先を決めずに自宅へ引き取ることは改葬に当たらないとしたうえで、あとで納骨するときに備えて、墓地の管理者に埋蔵証明書か遺骨引き渡し証明書を出してもらうよう案内しています。必要な書類は、今のお墓がある市区町村に確かめましょう。自宅で保管する場合は、自分が亡くなったあとに誰が遺骨を引き継ぎ、最後にどこへ納めるかも、家族で決めておきましょう。手元供養の品物の種類と価格の例は「手元供養の種類と値段」、自宅に置ける小さなお墓は「小さなお墓(自宅墓)の値段」で紹介しています。(出典:東京都保健医療局「よくある質問|墓地・納骨堂・火葬場」、墓地、埋葬等に関する法律 第4条、八王子市「改葬(お墓を移す)に関する手続き」)

遺骨を分けて、2つ以上の方法を組み合わせる

遺骨の一部を手元に残し、残りを合葬墓や樹木葬に納めるなど、遺骨を分けて(分骨して)2つ以上の方法を組み合わせることもできます。分けた遺骨を、あとでほかの墓地や納骨堂に納めるときは、墓地などの管理者が交付する、埋蔵や収蔵の事実を証明する書類が要ります(墓地、埋葬等に関する法律施行規則 第5条)。お墓から取り出すときに分けるなら、今のお墓の管理者にこの書類を出してもらえるかも確かめておきましょう。(出典:墓地、埋葬等に関する法律施行規則 第5条)

火葬場ごとの申し出の時期や、お墓から遺骨の一部を分けるときの手続きは「分骨して遺骨を自宅で保管する方法」でまとめています。

移し先が決まったら|改葬許可の手続き

お墓に納めた遺骨を、ほかのお墓や納骨堂に移すことを「改葬」といいます(墓地、埋葬等に関する法律 第2条第3項)。改葬をするには、市町村長(特別区は区長)の許可を受けなければなりません(同法 第5条第1項)。許可をするのは、遺骨が今ある場所(今のお墓)の市区町村長です(同条第2項)。

  1. 移し先を決め、使用の許可や契約を受ける。移し先の受入れの証明を求めるかどうかは市区町村で違う(たとえば大阪府高槻市は、受入れの証明は不要としつつ、移し先が決まってから申請するよう案内している)
  2. 今のお墓の管理者に、遺骨が埋蔵(または収蔵)されている事実を証明する書面(埋蔵証明書など)を作ってもらう
  3. 申請書に、亡くなった方の本籍・氏名、改葬の理由、改葬の場所などを書き、今のお墓がある市区町村に申請して、改葬許可証を受け取る
  4. 遺骨を取り出し、墓石を撤去して、区画を管理者に返す(お寺のお墓では、取り出す前に閉眼供養をお願いすることもある)
  5. 移し先に改葬許可証を出して、遺骨を納める

申請書に書くことと、添える書類は、墓地、埋葬等に関する法律施行規則 第2条で決まっています。今のお墓の管理者の証明が取れない特別な事情があるときは、市区町村長が必要と認めるこれに準ずる書面でもよいとされています。墓地の使用者以外の人が申請するときは、使用者の承諾書も要ります。

鎌倉新書の2026年の改葬の調査では、改葬・墓じまいで大変だったこととして、「遺骨の引っ越し(改葬)先選び」(38.8%)に次いで「役所手続き」(32.3%)が多く挙がりました(回答399人)。申請書には改葬の場所を書くため、移し先は早めに決めておきましょう。自宅に置く・散骨するために取り出す場合の扱いは、「よくある質問」で説明しています。(出典:墓地、埋葬等に関する法律、墓地、埋葬等に関する法律施行規則(e-Gov法令検索)、高槻市「改葬に関する許可申請」(改葬許可の申請 Q&A集)、鎌倉新書「第4回 改葬・墓じまいに関する実態調査(2026年)」)

墓じまいの費用と、墓石の撤去工事の見積もり

墓じまいでは、移し先の費用のほかに、今のお墓の墓石を撤去して区画を元に戻す工事の費用がかかります。鎌倉新書の2026年の改葬の調査では、墓じまいの実施費用は「31万円~70万円」が31.3%で最も多く、「30万円以下」と合わせて約48%が70万円以下でした(改葬・墓じまいをした・している人への質問。何を費用に含むかの内訳は示されていません)。費用の内訳は「墓じまいの費用相場」、公営墓地を返すときの助成がある自治体は「墓じまいの補助金・助成金がある自治体」で解説しています。

墓石の撤去工事は、石材店などの業者に頼めます。撤去の費用は石材店によって違うため、複数の見積もりを比べてから決めましょう。なお、改葬許可の申請は、お墓の使用者が自分でできます。

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移し先を選ぶ前に確かめたいこと

  • 家族の考え:合葬した後の遺骨は取り出せず、まいた遺骨も戻せない。誰がお参りするか、あとで別のお墓に入れたい人がいないかを話し合う
  • 遺骨の数:料金が1体ごとの施設では、体数で総額が変わる。今のお墓に何体あるかを、墓地の管理者の記録や墓誌で確かめる
  • 申込みの条件と時期:公営の施設は、施設によって住んでいる期間の条件や、年に1回の募集・抽選がある。墓じまいの工事の時期と合わせて考える
  • 総額:使用料・管理料(毎年か一括か)・納骨の費用・粉骨の費用・墓誌への名前の彫刻など、何が含まれるかを確かめる
  • 契約の中身:許可を受けた経営主体、個別に納める期間とその後の扱い、解約したときの返金を書面で確かめる

墓地・納骨堂の契約や葬儀サービスのトラブルは、国民生活センターにも相談が寄せられています。困ったときは、消費者ホットライン「188」で、お住まいの地域の消費生活センターなどに相談できます。(出典:国民生活センター「墓・葬儀サービス」、消費者庁「消費者ホットライン」)

よくある質問

墓じまいの後の遺骨は、どこへ移す人が多いですか?

鎌倉新書の2026年の調査では、合祀墓・合葬墓が43.2%で最も多く、樹木葬24.1%、一般墓14.3%、納骨堂13.3%、散骨1.3%でした(回答398人)。霊園の資料請求や見学をした人が対象の調査のため、散骨や自宅で保管する人は少なく出ている可能性があります。(出典:鎌倉新書「第4回 改葬・墓じまいに関する実態調査(2026年)」)

お墓を開けたら遺骨が残っていなかった(土に還っていた)ときは?

扱いは市区町村で違います。大阪府高槻市は、焼骨がすでに土になっている場合は、焼骨を移すことに当たらないため改葬許可証は要らないとしています。香川県三豊市も、遺骨が土に還ってなくなっていれば改葬許可は要らないとしつつ、許可はお墓を掘り返す前に必要で、遺骨が残っている可能性があるときは前もって許可を受けるよう案内しています。墓石を撤去する前に、今のお墓がある市区町村の窓口に相談しましょう。(出典:高槻市「改葬許可の申請 Q&A集」、三豊市「お墓の移動には改葬許可が必要です」)

自宅に持ち帰る・散骨するために取り出すときも、改葬許可は要りますか?

東京都保健医療局は、ほかのお墓や納骨堂に移す場合は改葬許可が必要で、散骨のために取り出す場合は区市町村により取扱いが異なるとしています。たとえば八王子市は、散骨や、移し先を決めずに自宅へ引き取ることは改葬に当たらないとし、高槻市は、散骨は改葬に当たらないため改葬許可証は発行できないとしています。八王子市は、移し先を決めずに自宅へ引き取る場合に、あとで納骨するときに備えて、墓地の管理者に埋蔵証明書や遺骨引き渡し証明書を出してもらうよう案内しています。なお、東京都調布市は、最初から別の墓地・納骨堂に納める予定で、その途中で一時的に自宅に安置する場合は、前もって改葬の許可が必要としています。今のお墓がある市区町村に、必要な書類を確かめましょう。(出典:東京都保健医療局「散骨に関する留意事項」、八王子市「改葬(お墓を移す)に関する手続き」、高槻市「改葬許可の申請 Q&A集」、調布市「改葬許可申請」)

公営の合葬墓に、墓じまいで取り出した遺骨を納められますか?

都立霊園の合葬埋蔵施設と樹林型は、改葬の遺骨でも申し込めます。横浜市と川崎市の合葬式の施設も、墓じまいで移す遺骨で申し込めます。大阪市の合葬式墓地は、市設霊園を返して遺骨を移す人なら市外に住んでいても申し込めます。住んでいる期間・募集の時期・抽選などの条件は施設ごとに違うため、その年度の募集の案内で確かめてください。(出典:東京都「令和8年度 都立霊園の使用者を募集します」、横浜市「市営墓地・納骨堂の使用者募集」、川崎市「令和8年度 市営霊園利用者の募集について」、大阪市「令和8年度 大阪市設瓜破霊園内合葬式墓地の使用者を募集します」)

墓じまいの費用を抑える方法はありますか?

移し先に公営の合葬墓を選ぶと、移し先の費用は抑えやすくなります。公営墓地を返して墓じまいをする人向けに、千葉県市川市や浦安市のように墓石の撤去費用を助成する自治体もあります。墓石の撤去工事は、複数の石材店の見積もりを比べてから頼みましょう。助成がある自治体は「墓じまいの補助金・助成金がある自治体」でまとめています。(出典:市川市「市川市霊園一般墓地返還促進事業」、浦安市「墓所返還者等支援事業」)

まとめ

  • 墓じまいの後の遺骨の移し先は、合祀墓・合葬墓が43.2%で最も多く、樹木葬・一般墓・納骨堂が続く(鎌倉新書・2026年・回答398人)
  • 平均購入金額は一般墓152.0万円、納骨堂81.5万円、樹木葬71.7万円。この記事で取り上げた公営の合葬墓は1体1万円未満〜20万円台で、施設によって住んでいる期間の条件や抽選がある
  • 合葬した後の遺骨とまいた遺骨は戻せない。家族で決めてから申し込む
  • ほかのお墓や納骨堂へ移すときは改葬許可が要る。散骨のために取り出すときの扱いは市区町村で違う。自宅に引き取るときは改葬に当たらないとする市もある
  • 墓石の撤去工事は、複数の石材店の見積もりを比べてから頼む

この記事で使った資料

※公的な資料と調査の内容は、2026年11月に確認したものです。料金と募集の条件は年度ごとに変わるため、申し込む前に各施設の最新の案内を確かめてください。


この記事を書いた人 大手葬儀会社Web事業部に3年間在籍。年間2,000件以上の葬儀集客・月数千万円超の広告運用・月間1,000万PV超のコンテンツ制作を担当した現場経験者が執筆しています。

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