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相続した不動産の一括査定|実家を売る前に知っておく手続きの期限と、査定の比べ方【2026年】

相続した実家の一括査定(相続登記・3,000万円控除の期限と査定の比べ方) 相続・実家

親から相続した実家を売るか、残すかを決めるとき、まず知りたいのは「いくらで売れそうか」です。不動産一括査定を使うと、1回の入力で複数の不動産会社に査定を頼み、査定額を比べ、その根拠を聞けます。ただ、相続した家には、相続放棄・相続税・相続登記など期限のある手続きがあり、売り方によっては税金の特例も使えます。この記事では、国税庁・法務省・国土交通省などの公式の情報から、売る前に知っておくことをまとめました(2026年11月7日確認)。

相続した実家を売る前のポイント

  • 査定は1社だけでなく、複数の不動産会社に頼んで比べる。不動産会社は、媒介契約で売り出す価格について意見を言うときは根拠を示す決まりがあるので、査定のときから根拠を聞いて比べる
  • 期限のある手続き:相続放棄は3か月以内、相続税の申告(基礎控除を超える人)は10か月以内、相続登記は3年以内(令和6年4月から義務)
  • 相続した空き家を売ると、条件に当てはまれば譲渡所得から最高3,000万円を控除できる(令和9年12月31日までの売却で、相続から3年がたつ日の年の12月31日までに売る。例:2024年に相続なら2027年12月31日まで)
  • 断ったあとも勧誘を続けることや、迷惑な時間の電話は、宅地建物取引業法の規則で禁止されている

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物件の種類・所在地と連絡先を入力し、提案された不動産会社(最大6社)を選んで、一度に査定を頼めます。断りにくい会社には、イエイのサポートデスクが代わりにお断りの連絡をする「お断り代行」もあります(同社のサイト・2026年11月確認)。

査定額は売り出す価格の目安で、不動産鑑定士の鑑定評価ではありません

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相続した実家を売るときの手続きと期限

相続した実家を売るときの手続きと期限(相続放棄3か月・相続税の申告10か月・相続登記3年・査定・媒介契約・確定申告)
  • 相続放棄:自分のために相続が始まったことを知った時から3か月以内に、家庭裁判所に申し立てる。費用は申述人1人につき収入印紙800円分と、連絡用の郵便切手。期間を延ばす申立てもできる(裁判所)
  • 相続放棄を考えている間に、実家を売るなど相続財産を処分すると、相続を認めたものとみなされ、放棄できなくなることがある(民法 第921条)
  • 相続税の申告:亡くなったことを知った日の翌日から10か月以内。相続人全員が受け取った財産の合計(小規模宅地等の特例を使う前の額)が基礎控除額の範囲内なら、申告も納税も要らない。特例を使って税額が0になる場合は申告が要る(国税庁 No.4205・No.4124)
  • 相続登記:令和6年4月1日から義務。不動産を取得したことを知った日から3年以内に申請する。正当な理由なく怠ると10万円以下の過料の対象で、その前に登記官から催告がある。令和6年4月より前の相続も対象で、期限は令和9年3月31日まで(取得を知ったのが令和6年4月以降なら、その日から3年以内)(法務省)
  • 3年以内の相続登記が難しいときは、「相続人申告登記」を申し出た相続人は、義務を果たしたことになる(ほかの相続人の分もまとめて申し出られる)。登録免許税はかからず、オンラインでもできる。ただし、実家を売るときは、別に相続登記(名義を移す登記)が要る(法務省)

相続登記は自分で申請でき、専門家に頼むなら司法書士(弁護士も可)です。相続税や確定申告の申告書は、自分で作るか、税理士に頼みます。不動産会社が受け持つのは、売るための仲介や買取で、登記や申告書の作成ではありません。

査定を比べる4つのポイント

査定を比べる4つのポイント(査定額の根拠・売り方・媒介契約の種類・仲介手数料)
  • 査定額の根拠:宅地建物取引業者は、媒介契約で売り出す価格について意見を言うときは、その根拠を明らかにしなければならない(宅地建物取引業法 第34条の2第2項)。査定のときから、金額だけでなく近くの取引の例などの根拠を聞いて比べる
  • 査定と鑑定は別のもの:不動産の鑑定評価ができるのは、国家資格の不動産鑑定士だけ(国土交通省)。不動産会社の査定額は、売り出す価格の目安を知るためのもの
  • 売り方:不動産会社に買主を探してもらう仲介か、不動産会社に買い取ってもらうかで、進め方が違う。国民生活センターは、自宅を不動産業者に売った場合はクーリング・オフができないと注意している
  • 媒介契約の種類と仲介手数料:次の2つの表のとおり

媒介契約の3種類

一般媒介専任媒介専属専任媒介
複数の会社と同時に契約できるできないできない
自分で見つけた相手と取引できるできるできない
レインズへの登録義務なし契約から7日以内(休業日を除く)契約から5日以内(休業日を除く)
業務の処理状況の報告義務なし2週間に1回以上1週間に1回以上
契約の有効期間宅建業法上の上限なし3か月以内3か月以内

購入の申込みがあったときの報告は、一般媒介でも義務があります(宅地建物取引業法 第34条の2第8項)。(出典:国土交通省「消費者の皆様向け 不動産取引に関するお知らせ」、宅地建物取引業法 第34条の2、同施行規則 第15条の10)

仲介手数料の上限

物件の価格(税抜)の部分上限(税込)
200万円以下の部分5.5%
200万円を超え400万円以下の部分4.4%
400万円を超える部分3.3%
  • 売買で、依頼した人の一方から受け取れる上限(宅地建物取引業法 第46条と国土交通大臣の告示)。国土交通省の計算例では、物件の価格1,000万円(税別)で上限は39.6万円(税込)
  • 令和6年7月1日から、800万円以下の宅地・建物(空き家かどうかは問わない)の仲介は、上の計算を超えて受け取れるようになった。上限は「30万円×1.1倍」(税込33万円)で、媒介契約の前に報酬の額を説明して合意することが必要(国土交通省)

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相続した空き家を売ったときの3,000万円控除

相続した空き家の3,000万円控除の主な条件
  • 平成28年4月1日から令和9年12月31日までに売って、条件に当てはまれば、譲渡所得から最高3,000万円を控除できる。令和6年1月1日以後の売却で、家と土地を相続した人が3人以上なら、1人あたり2,000万円まで(国税庁 No.3306)
  • 主な条件:昭和56年5月31日以前に建てられた家(マンションなど区分所有建物は対象外)、相続の直前に亡くなった人のほかに住んでいた人がいない、相続が始まった日から3年を経過する日の属する年の12月31日までに売る、売却代金が1億円以下、相続の時から事業・貸付け・居住に使っていない、など
  • 家を耐震基準に合うようにして売るか、取り壊してから土地を売る。令和6年1月1日以後の売却は、売った年の翌年2月15日までに買主が耐震工事や取り壊しをする形も対象
  • 確定申告が必要で、家がある市区町村の「被相続人居住用家屋等確認書」などを付ける
  • 相続税がかかった人が使える「取得費加算の特例」とは、一緒に使えない(国税庁 No.3306・No.3267)

条件は細かく、譲渡所得の計算によって税額も変わります。当てはまるかは、税務署か税理士に確かめましょう。売る期限があるので、早めに査定を取り、売るかどうかを決める材料にします。

売らずに置いておくときに知っておくこと

売りに出しても買い手が見つからないときの打ち手(空き家バンク・解体して売る・100万円控除など)は「相続した実家が売れないときはどうする?」でまとめています。

  • 空き家の固定資産税:令和5年12月13日から、放置すれば特定空家になるおそれのある空家(管理不全空家)に、市区町村長が指導・勧告できるようになった。勧告を受けると、固定資産税の住宅用地の特例(200㎡以下の部分は課税標準が6分の1など)が外れる(国土交通省)
  • 相続土地国庫帰属制度:相続した土地を国に引き取ってもらう制度(令和5年4月27日から)。建物がある土地は申請できない。審査手数料は土地1筆14,000円、負担金は宅地なら原則20万円(市街化区域・用途地域の宅地は面積で計算)(法務省)

一括査定のあとの電話が心配なとき

  • 宅地建物取引業法施行規則 第16条の11は、契約しない意思(勧誘を続けてほしくない意思を含む)を示したのに勧誘を続けることと、迷惑な時間に電話や訪問をすることを禁止している
  • 頼まない会社には、はっきり断る。困ったときは、消費者ホットライン(電話188)で近くの消費生活センターに相談できる
  • 不動産一括査定の「イエイ」(株式会社じげん)は、断りにくい不動産会社へのお断りの連絡を、サポートデスクが代わりにする「お断り代行」を案内している。イエイの加盟店以外の会社への連絡も対象で、頼むときは同社の問い合わせフォームで「お断り代行をお願いしたい」を選ぶ(同社のサイト・2026年11月確認)

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空き家の約6割は相続で取得したもの

  • 2023年の空き家は900万2千戸、空き家率は13.8%で、どちらも過去最多・最高(総務省「令和5年住宅・土地統計調査」)
  • 空き家を持っている世帯のうち、相続で取得した世帯は約58%。5年以内に貸すか売るつもりの世帯が挙げた課題には「家財などの処理」が約37%ある(国土交通省「令和6年空き家所有者実態調査」)

実家と一緒に、お墓をどうするかを考える人もいます。墓じまいの費用は「墓じまいの費用相場」、手順は「墓じまいの手順と期間」でまとめています。

お墓・仏壇・家財・家をどの順番で片づけるか、やってはいけないことは「実家じまいと墓じまいの手順」でまとめています。

よくある質問

査定額で必ず売れますか?

査定額は、売り出す価格の目安です。不動産の鑑定評価ができるのは不動産鑑定士だけで、不動産会社は、媒介契約で売り出す価格について意見を言うときに根拠を示す決まりがあります。複数社の査定額と根拠を比べて、売り出す価格を決めましょう。

相続登記や税の申告も、不動産会社に頼めますか?

相続登記は自分で申請でき、専門家に頼むなら司法書士(弁護士も可)です。相続税や確定申告の申告書は、自分で作るか、税理士に頼みます。不動産会社に頼むのは、売るための仲介や買取です。

兄弟で意見が分かれています。どうすればいいですか?

遺産の分け方でもめていて、話し合いを代わりにしてもらいたいときは、弁護士に相談しましょう。売るかどうかを話し合う材料として、査定額を取っておく方法もあります。

実家を相続したくないときは?

相続放棄は、自分のために相続が始まったことを知った時から3か月以内に、家庭裁判所に申し立てます。相続放棄をすると、初めから相続人でなかったことになり、実家だけでなく、預貯金などのほかの財産も、借金などの義務も受け継ぎません(裁判所・民法 第939条)。迷うときは、早めに家庭裁判所や弁護士・司法書士に相談しましょう。

(この記事で使った資料:国税庁「No.3306 被相続人の居住用財産(空き家)を売ったときの特例」「No.3267 相続財産を譲渡した場合の取得費の特例」「No.4205 相続税の申告と納税」「No.4124 相続した事業の用や居住の用の宅地等の価額の特例(小規模宅地等の特例)」、国土交通省「空き家の譲渡所得の3,000万円特別控除」「消費者の皆様向け 不動産取引に関するお知らせ」「空き家等に係る媒介報酬規制の見直し」「不動産鑑定評価ポータルサイト」「空家等対策の推進に関する特別措置法の一部を改正する法律について」「令和6年空き家所有者実態調査」、法務省「相続登記の申請義務化について」「相続人申告登記について」「相続土地国庫帰属制度の概要」「相続土地国庫帰属制度の負担金」、裁判所「相続の放棄の申述」、国民生活センター「高齢者の自宅の売却トラブルに注意」(2021年6月24日)、総務省「令和5年住宅・土地統計調査」、e-Gov法令検索(民法・宅地建物取引業法・同施行規則・不動産の鑑定評価に関する法律・司法書士法・税理士法)。2026年11月7日に確認)


この記事を書いた人 大手葬儀会社Web事業部に3年間在籍。年間2,000件以上の葬儀集客・月数千万円超の広告運用・月間1,000万PV超のコンテンツ制作を担当した現場経験者が執筆しています。

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