墓じまいのやり方|自分でできることと頼む作業を分けて解説

墓じまい

墓じまいは、自分でできる作業と専門業者に頼む必要がある作業に分かれます。この違いを知らずに進めると、自分でできないことに気づいて手が止まります。「何から始めればいいかわからない」という状態から抜け出すには、まずこの分類を把握することが出発点です。

私は大手葬儀会社のWeb事業部に3年在籍し、月数千万円超の広告運用・年間1,000件以上の葬儀集客・月間1,000万PVを超えるコンテンツ制作に関わりました。その経験をもとに、この記事を書いています。

この記事を読むと、次の3点がわかります。

  • 自分でできること・できないことの区別
  • 最初に何をすればいいか(今日から動ける最初の一手)
  • 失敗しないためにやってはいけないこと

まず確認「自分でできること・できないこと」

墓じまいを始める前に、作業を「自分でできるもの」と「業者に頼む必要があるもの」に分類しておきましょう。この分類を知らないと、途中で手が止まります。

作業内容自分でできるか必要な相手備考
親族への相談・合意形成できる家族・親族最初に必須
改葬先の選定・決定できる霊園・納骨堂等先に決めないと書類が揃わない
埋蔵証明書の取得依頼できる現在の寺院・霊園お寺との交渉が必要
受入証明書の取得依頼できる新しい改葬先改葬先決定後に取得
改葬許可申請書の記入・提出できる現在のお墓がある市区町村役所遺骨1体につき1通必要
閉眼供養(魂抜き)できない僧侶(お寺)省略できない
墓石の解体・撤去工事できない石材店専門業者が必須
遺骨の取り出しできない石材店工事と同日が多い
新しい供養先への納骨できる(手続き)改葬先の管理者改葬許可証を持参

費用がかかる作業は「閉眼供養」「墓石の解体・撤去」の2つです。行政手続き(改葬許可証の取得)は自分で進められ、費用は数百円〜1,500円程度です。手続きの詳細は当サイトの改葬手続き記事で詳しく解説しています。

関連記事:改葬手続きの全手順|必要書類・申請先・よくある失敗を解説

墓じまいのやり方【最初にやること3つ】

全ステップを一度に把握しようとすると行動できなくなります。最初の3つに絞って動き始めてください。この3つが固まれば、残りは自然に順番が決まります。

やること①|改葬先を先に決める(最重要)

多くの人が最初に石材店や役所に連絡しますが、それは間違いです。改葬先が決まらないと「受入証明書」が取得できず、行政手続きが一切進みません。最初にすべきことは改葬先の選定です。

改葬先の種類費用目安特徴
合葬墓(合祀墓)5万〜30万円最安値。他の方と合同埋葬。後から遺骨を取り出すことはできない。
樹木葬20万〜80万円自然に還る形。個別区画があるタイプも選べる。
納骨堂30万〜150万円駅近が多く利便性が高い。
海洋散骨5万〜50万円遺骨を粉末化して海へ。管理費不要。
一般墓(新規建立)100万〜300万円超従来型のお墓。石材店と霊園選びが別途必要。

関連記事:墓じまいの費用相場|改葬先別の総額と内訳を解説

やること②|親族全員の合意を取る

改葬先が決まったら、次に親族全員の合意を取ります。これを後回しにすると、後から「聞いていなかった」とトラブルになります。特に決めておくべき内容は以下の3点です。

  • 墓じまいをするかどうかの合意(賛否を全員から聞く)
  • 費用の分担(誰がいくら負担するか)
  • 改葬先と供養方法(全員が納得できる形か)

親族が反対する場合の具体的な対処法は当サイトの別記事で解説しています。

やること③|石材店を霊園に行く前に選ぶ

石材店は霊園に行く前に自分で選んでください。民営霊園には「指定石材店制度」があり、霊園の窓口に行った瞬間に担当業者が自動決定され、後から変更できません。指定業者と別業者で2倍の差が出たケースがあります。一括見積もりサービスで先に複数社を比較してから霊園に行くことが、費用を抑える最大のポイントです。

関連記事:墓じまい業者の選び方|指定石材店の罠と悪質業者の見分け方

自分でやる場合の行政手続きのやり方

行政手続きは自分で進めることができます。役所に行く前に準備しておくことと、申請書の記入のコツを把握しておけば、窓口での手続きはスムーズです。

役所に行く前にやること

以下の3点を事前に確認してから役所に行くと、無駄足を防げます。

  • 現在のお墓に何体の遺骨があるかを管理者に確認する(改葬許可証は遺骨1体につき1通必要)
  • 改葬先の住所を確認しておく(申請書への記入が必要)
  • 申請先の役所が「現在のお墓がある市区町村」であることを確認する(自分が住む市区町村ではない)

改葬許可申請書の書き方のコツ

申請書は現在のお墓がある市区町村のホームページからダウンロードできる場合が多いです。記入で迷いやすい3点を整理します。

  • 「死亡年月日」がわからない場合は「不詳」と記入してよい
  • 「改葬の理由」は「新しく墓地を購入したため」などシンプルな記載でよい
  • 申請者が墓地名義人以外の場合は委任状が必要になる自治体がある

詳しい手続き方法:改葬手続きの全手順|申請先・必要書類・間違いやすいポイント

代行業者に頼む場合のやり方

行政手続きや業者の手配を自分で進めるのが難しい場合は、代行業者への依頼が選択肢になります。代行業者に任せた場合、自分でやることは大幅に減ります。

代行業者に頼む場合の流れ

代行業者に依頼した場合、行政手続き・石材店の手配・改葬先の提案まで一括で任せられます。自分でやることは以下の3点だけになります。

  • 親族の合意を取ること
  • 改葬先の最終決定(提案を受けてから決定でよい)
  • 費用の支払い

代行業者選びで注意すること

手続き代行業者には石材店・墓じまい代行会社・行政書士の3種類があります。行政書士は書類手続きの専門家ですが、墓石の撤去工事は別途石材店への依頼が必要です。墓じまい代行会社は工事から書類まで一括で任せられますが、悪質業者が存在するため見積もり比較が必須です。

関連記事:信頼できる墓じまい業者の選び方と見積もり比較のポイント

墓じまいのやり方でやってはいけないこと

以下の4つは、実際に手続きが止まったり費用が跳ね上がる典型的な失敗パターンです。事前に把握しておくだけでトラブルの大半は防げます。

① 改葬先を決める前に役所に行く
受入証明書がないと改葬許可申請が受理されず、空振りになります。役所に行く前に改葬先を確定させてください。

② 霊園に行く前に石材店を決めていない
指定石材店制度で高額業者に固定されます。霊園の窓口に行く前に、自分で複数の石材店から見積もりを取ることが節約の最大のポイントです(詳細は上のやること③で解説しています)。

③ お寺への連絡を最後まで後回しにする
埋蔵証明書の発行を渋られたり、離檀料を高額請求されるリスクが上がります。お寺には「墓じまいを考え始めた段階」で相談するのが最善です。事後報告になるほど関係が複雑になります。

④ 遺骨の数を確認せずに手続きを始める
改葬許可証は遺骨1体につき1通必要です。事前確認なしでは書類が足りず、当日に手続きが止まります。管理者に「何体の遺骨が納められていますか」と事前に確認しておいてください。

よくある質問

Q1. 墓じまいのやり方は自分一人でできますか?

行政手続きは1人で進められます。ただし閉眼供養(お坊さんへの依頼)と墓石の撤去工事は業者への依頼が必須です。遠方にお墓がある・遺骨の数が多い・お寺との関係が複雑な場合は、代行業者への相談を検討してください。

Q2. 墓じまいは何ヶ月前から準備すればいいですか?

一般的に3ヶ月〜1年程度を見ておいてください。お寺との交渉・改葬先の選定・書類手続きにそれぞれ時間がかかります。急ぐ場合でも最低2〜3ヶ月は必要です。繁忙期(お盆・お彼岸前)は石材店の予約が取りにくいため、閑散期(1〜2月・6〜7月)の工事を狙うと費用も抑えやすくなります。

Q3. 費用が払えない場合はどうすればいいですか?

改葬先を合葬墓(5万〜30万円)にすることで総額を大幅に抑えられます。自治体によっては補助金・助成制度を設けているため、お墓がある市区町村の窓口に確認してください。分割払いに対応している石材店も存在します。費用の詳細は墓じまいの費用記事で解説しています。

Q4. 墓じまいをしてもご先祖様の供養は続けられますか?

続けられます。永代供養・樹木葬・納骨堂では、霊園や施設が代わりに供養してくれます。形は変わっても供養の気持ちは変わりません。「お墓を持たない供養」は現在の改葬件数が年間176,105件(2024年・過去最高)であることが示すように、現代における一般的な選択肢になっています。

まとめ

この記事で解説した内容を整理します。

  • 最初にすること:改葬先を決める→親族の合意→石材店の事前選定の順で動く
  • 自分でできる:親族相談・書類手続き・改葬先との連絡
  • 自分ではできない:閉眼供養(お坊さん)・墓石の撤去工事(石材店)
  • 霊園に行く前に石材店を決めることが、費用を抑える最大のポイント
  • 費用・手順の詳細は費用記事手順記事で確認できる

墓じまいは最初の一歩が最も難しく感じますが、改葬先を決めてから動けば順番は自然に決まります。まず費用の相場を確認してから動き始めてください。

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