墓じまいなどでお寺の檀家をやめるとき(離檀するとき)に求められることがある「離檀料」について、金額の考え方、払わないとどうなるか、高額を求められたときの相談先をまとめました。国民生活センター・神奈川県・総務省・厚生労働省の資料、墓地、埋葬等に関する法律の施行規則、檀家をやめた人などへの民間の調査をもとにしています。
この記事の結論
- 離檀料は、国民生活センターによると「檀家をやめるときに寺へのお礼として慣習的に支払う」もので、明確な基準はない。金額を調べた公的な統計も見当たらない
- 民間の調査(檀家をやめた経験がある100人・2026年3月の調査)では、払った総額は「5万〜10万円未満」が32人で最も多く、「0円(支払っていない)」は20人。別の調査とは結果が違い、相場と言い切れる数字ではない
- 離檀料を払うことを定めた法律はない。金額に納得できないときは、まず寺と話し合う(国民生活センター)。お寺の規約に決まりがないかも確かめる。300万円・700万円を求められた相談の例もある
- 離檀料をめぐって埋蔵証明書を出してもらえないときは、市区町村の窓口に相談する。市区町村はまずお寺に出すよう求めるのが原則だが、それでも出ないときは、代わりの書面で改葬許可の手続きを進められる場合がある(どの書面を求めるかは市区町村長が判断)
- 困ったときの相談先は、消費者ホットライン(188)。お寺ともめていて、話し合いを代わりにしてもらいたいときは弁護士に相談する
離檀料とは
離檀料(りだんりょう)について、国民生活センターは「檀家をやめるときに寺へのお礼として慣習的に支払う」ものと説明し、明確な基準はなく、金額に納得がいかない場合は基本的には寺などと話し合うことになる、としています。お寺が管理する墓地(寺院墓地)のお墓を閉じて遺骨を移すとき(墓じまい)に、あわせて求められることがあります。(出典:国民生活センター「見守り新鮮情報 第424号 墓じまい 離檀料に関するトラブルに注意」(2022年6月28日・2022年度縮刷版のPDFの7ページ)、熊本市の掲載ページ)
離檀料を払うことを定めた法律はありません。ただし、お寺や墓地の規約・使用規則に、離檀や墓地を返すときの決まりが書かれていることもあります。国民生活センターも、墓じまいを考えているときは契約内容をよく確かめるよう勧めています。まずは、お墓を使い始めたときの契約書や規約を確かめましょう。(出典:総務省 東北管区行政評価局「墓じまいに関する情報収集結果」別添2「相談対応者向けQ&A」)
離檀料の相場(金額)について分かっていること
離檀料の金額を調べた公的な統計は、確認した範囲では見当たりませんでした(2026年11月確認)。国民生活センターは「明確な基準はなく」としています。神奈川県の消費生活課も、離檀料は寺へのお礼として慣習的に支払うお布施の一種のため「特に妥当な目安といったものはありません」とし、納骨堂へ移そうとしたら離檀料として200万円かかると言われた相談の例を紹介しています。
民間では、墓じまいの事業者(離檀や改葬の手続きの代行をうたう会社)の株式会社フーフーが、インターネットで100人ずつに聞いた調査を2つ発表しています(同社の利用者に限らない)。
| 実際に払った離檀料の総額(檀家をやめた経験がある100人・2026年3月11日実施) | 人数 |
|---|---|
| 0円(支払っていない) | 20人 |
| 5万円未満 | 17人 |
| 5万〜10万円未満 | 32人 |
| 10万〜20万円未満 | 19人 |
| 20万〜50万円未満 | 10人 |
| 50万円以上 | 2人 |
| 墓じまいで払った離檀料(墓じまいの経験がある100人のうち、払った76人・2026年2月6日実施) | 人数 |
|---|---|
| 5万円未満 | 15人 |
| 5万〜10万円未満 | 20人 |
| 10万〜50万円未満 | 38人 |
| 50万〜100万円未満 | 3人 |
| 100万円以上 | 0人 |
2つめの調査では、100人のうち「支払っていない」が13人、「離檀する必要がなかった」が11人でした。払わなかった13人の理由は、「お寺から一切請求されなかった」8人、「用意したがお寺から辞退された」3人、「交渉の結果支払わなかった」2人です。
2つの調査は金額の区切り方が違い、結果も同じではありません。どちらも回答は100人と少なく、平均の金額や、回答者の集め方・地域・離檀した時期は公表されていません(2つめの調査の設問は「離檀料(お布施)」)。「いくらが相場」と言い切れる数字ではないため、金額は、お寺の規約や、これまでのお付き合いをふまえて、お寺と話し合って決めることになります。宗派ごとの基準額を示した公的な資料も、確認した範囲では見当たりませんでした。(出典:国民生活センター「見守り新鮮情報 第424号」、神奈川県くらし安全防災局くらし安全部消費生活課「かながわ消費生活」第82号(2018年8月15日)、株式会社フーフー「檀家をやめた理由1位は「お寺が遠方でお参りや管理が大変」39.00%|離檀料は「5万~10万円未満」32.00%…」(PR TIMES・2026年6月15日)、同「墓じまいに伴う離檀料の実態調査|支払った人は76.00%…」(PR TIMES・2026年4月13日))
離檀料を払わないとどうなる?
離檀料を払うことを定めた法律はなく、施行規則が定める改葬許可の申請の添付書類にも、離檀料を払ったことを示す書類は挙げられていません。ただし、墓じまいでお墓の遺骨をほかのお墓や納骨堂に移すには、今のお墓がある市区町村の改葬許可が要り、その申請には、墓地の管理者(寺院など)が作る、遺骨が埋蔵されている事実を証明する書面(埋蔵証明書)を付けます(墓地、埋葬等に関する法律 第5条、同法施行規則 第2条第2項第1号)。
神奈川県の消費生活課は、支払いで寺と折り合えず、埋蔵(埋葬)証明書をもらえず困ったというケースもあるとしています。また国民生活センターは、墓じまいには改葬のほかに墓地の原状回復などの手続きも必要になるため、契約内容をよく確かめ、今の墓地の管理者とよく話し合って進めることが大切としています。遺骨の取り出しや墓石の撤去、区画の返還もお寺の墓地で行うため、お寺との話し合いは欠かせません。国民生活センターは、「菩提寺に墓じまいを依頼したところ、高額な離檀料を請求された。支払える金額でない上、規約などの定めもなく請求根拠が不明だ」という相談の例も紹介しています。お寺が埋蔵証明書を出さないときの進め方は、下の「埋蔵証明書を出してもらえないとき」で説明します。(出典:e-Gov法令検索「墓地、埋葬等に関する法律施行規則」第2条、神奈川県くらし安全防災局くらし安全部消費生活課「かながわ消費生活」第82号、総務省 東北管区行政評価局「墓じまいに関する情報収集結果」別添2「相談対応者向けQ&A」、国民生活センター「墓・葬儀サービス」(2026年7月31日更新))
高額な離檀料を求められたとき
国民生活センターの「見守り新鮮情報 第424号」には、墓じまいを申し出たら300万円ほどの離檀料を求められた例や、過去帳に8人の名前が載っているので700万円かかると言われた例が載っています。国民生活センターと全国の消費生活センターを結ぶPIO-NET(全国消費生活情報ネットワークシステム)に登録された「墓」の相談は、2023年度から2025年度まで毎年1,000件を超えています(離檀料以外の相談も含みます)。
国民生活センターは、家族や親族なども交えて、よく話し合うよう勧めています。当サイトでは、次の順番で進めることをおすすめします。
- その場で決めない:金額を言われても、すぐに払う約束をせず、持ち帰って家族と相談する
- 根拠を聞く:何に対する金額か、規約などに定めがあるかを、落ち着いて尋ねる
- 規約と契約書を確かめる:お墓を使い始めたときの規約・使用規則に、離檀や墓地を返すときの決まりがあるかを見る
- 話し合いの記録を残す:いつ、誰と、どんな話をしたかをメモに残す
- 第三者に相談する:消費者ホットライン(局番なし188)で、近くの消費生活センターなどを案内してもらえる。お寺ともめていて、話し合いを代わりにしてもらいたいときは、弁護士に相談する
墓じまいの業者や石材店が、お金をもらってお寺との話し合いを代わりに行うことは、弁護士法 第72条の論点があります。業者に頼めるのは、墓石の撤去工事などです。住職への伝え方や手紙の例文は「離檀の挨拶文例5選」で紹介しています。(出典:国民生活センター「見守り新鮮情報 第424号」、国民生活センター「墓・葬儀サービス」、消費者庁「消費者ホットライン」、e-Gov法令検索「弁護士法」 第72条)
埋蔵証明書を出してもらえないとき
墓地、埋葬等に関する法律施行規則は、改葬許可の申請に付ける埋蔵証明書について、管理者が作る書面によりがたい特別の事情があるときは、市町村長が必要と認める、これに準ずる書面でよいとしています。総務省 東北管区行政評価局の資料(厚生労働省確認済みのQ&A)によると、管理者が埋蔵証明書を作るのを拒んだ場合、市町村はまず、できる限り管理者に証明書を出すよう指導し、それでも拒んだときに、埋蔵証明書に代わる書面で扱ってよいとされています。改葬を許可するか、どんな書面を求めるかは、市町村長が判断します。
厚生労働省は、2026年1月23日の事務連絡「改葬許可申請において埋蔵証明書の添付により難い特別の事情があると認められる場合の取扱い(Q&A)について」で、代わりの書面の例として、お墓の写真や、埋蔵証明書を出せない経緯を書いた申述書などを示しています。同じ資料によると、話を聞いた東北の9市町村のうち7市町村は、埋蔵証明書に代わる書面で扱ってよいとする国の回答を把握していませんでした。お寺が埋蔵証明書を出さないときは、今のお墓がある市区町村の窓口に事情を話し、この事務連絡のことも伝えて相談しましょう。改葬許可の申請は、お墓の使用者が自分でできます。(出典:e-Gov法令検索「墓地、埋葬等に関する法律施行規則」 第2条第2項第1号、総務省 東北管区行政評価局「墓じまいに関する情報収集結果」(2026年1月30日)・別添2「相談対応者向けQ&A」)
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離檀のあとの、墓石の撤去の費用を先に知っておきたい方へ
離檀の話がまとまると、墓石を撤去して区画を返すための工事が必要になります。お寺に指定の石材店があるかを先に確かめ、指定がなければ、複数の見積もりを比べてから決めると安心です。墓石ナビなら、同社の審査を通った石材店から無料で一括見積もりを取れます(民営霊園のお墓は受け付けていないと公式サイトに書かれています)。
離檀料のほかに、墓じまいでかかる費用
墓じまいでは、離檀料のほかに、墓石の撤去工事、遺骨の移し先の費用、改葬許可の手数料などがかかり、宗教や宗派によっては閉眼供養などの儀式のお布施も要ります。株式会社鎌倉新書の「第4回 改葬・墓じまいに関する実態調査(2026年)」(同社の「いいお墓」で霊園の資料請求や見学をした人が対象)では、改葬・墓じまいをした(している)人の実施費用は「31万円~70万円」が31.3%で最も多く、「30万円以下」(16.8%)と合わせて約48%が70万円以下でした(何を費用に含むかの内訳は示されていません)。費用の内訳は「墓じまいの費用相場」、遺骨の移し先は「墓じまい後の遺骨はどうする?」で解説しています。
墓石の撤去工事は、石材店などの業者に頼めます。お寺に指定の石材店があるかを先に確かめ、指定がなければ、複数の見積もりを比べてから決めましょう。(出典:「第4回 改葬・墓じまいに関する実態調査(2026年)」(株式会社鎌倉新書「いいお墓」)(https://www.kamakura-net.co.jp/newstopics/12200/、調査結果の全文 https://guide.e-ohaka.com/research/survey_hakajimai_2026/))
よくある質問
離檀料はいくら包めばよいですか?
国民生活センターは、離檀料に明確な基準はないとしています。民間の調査(檀家をやめた100人)では「5万〜10万円未満」が最も多かったものの、別の調査では払った人の半数が「10万〜50万円未満」で、結果は調査によって違います。お寺の規約に決まりがないかを確かめ、お寺と話し合って決めましょう。(出典:国民生活センター「見守り新鮮情報 第424号」、株式会社フーフーの調査(PR TIMES・2026年4月13日・6月15日))
離檀料は、必ず払わなければいけませんか?
離檀料を払うことを定めた法律はありません。国民生活センターは、寺へのお礼として慣習的に支払うものとし、金額に納得がいかない場合は基本的には寺などと話し合うことになるとしています。お寺や墓地の規約に決まりがある場合もあるため、契約書や規約を確かめてください。(出典:国民生活センター「見守り新鮮情報 第424号」)
離檀料を払わないと、墓じまいはできませんか?
改葬許可の申請には、お寺などの墓地の管理者が作る埋蔵証明書を付けます。市区町村はまずお寺に出すよう指導し、それでも出ないときは、市区町村長が必要と認める、これに準ずる書面でよいとされています。厚生労働省は2026年1月の事務連絡で、お墓の写真や経緯を書いた申述書などの例を示しています。ただし、改葬の許可とは別に、遺骨の取り出しや墓石の撤去、区画の返還もお寺の墓地で行うため、お寺との話し合いは欠かせません。今のお墓がある市区町村の窓口に相談しましょう。(出典:墓地、埋葬等に関する法律施行規則 第2条第2項第1号、総務省 東北管区行政評価局「墓じまいに関する情報収集結果」別添2)
高額な離檀料を求められたら、どこに相談できますか?
消費者ホットライン(局番なし188)にかけると、近くの消費生活センターなどを案内してもらえます。お寺ともめていて、話し合いを代わりにしてもらいたいときは、弁護士に相談しましょう。(出典:消費者庁「消費者ホットライン」)
まとめ
- 離檀料は、寺へのお礼として慣習的に支払うもので、明確な基準はない(国民生活センター)。公的な統計も見当たらない
- 民間の調査では、払った総額は「5万〜10万円未満」が最多の調査と、「10万〜50万円未満」が半数の調査があり、相場と言い切れる数字ではない
- 払うことを定めた法律はない。お寺の規約を確かめ、納得できない金額はその場で決めずに話し合う
- 埋蔵証明書を出してもらえないときは、市区町村の窓口に相談する(まずお寺に出すよう求めるのが原則。それでも出ないときは、代わりの書面で進められる場合がある)
- 相談先は消費者ホットライン(188)。お寺ともめていて、話し合いを代わりにしてもらいたいときは弁護士に相談する
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この記事で使った資料
- 国民生活センター「見守り新鮮情報 第424号 墓じまい 離檀料に関するトラブルに注意」(2022年6月28日・2022年度縮刷版に収録)、「墓・葬儀サービス」(2026年7月31日更新)、熊本市「【見守り情報】墓じまい 離檀料に関するトラブルに注意」
- 神奈川県くらし安全防災局くらし安全部消費生活課「かながわ消費生活」第82号(2018年8月15日)、消費者庁「消費者ホットライン」
- e-Gov法令検索「墓地、埋葬等に関する法律」(第5条)、「墓地、埋葬等に関する法律施行規則」(第2条)、「弁護士法」(第72条)
- 総務省 東北管区行政評価局「墓じまいに関する情報収集結果」(2026年1月30日)・別添2「相談対応者向けQ&A」(厚生労働省の2026年1月23日の事務連絡の内容を含む)
- 株式会社フーフー(PR TIMES・2026年6月15日、PR TIMES・2026年4月13日)。いずれもインターネットアンケート・100人
- 「第4回 改葬・墓じまいに関する実態調査(2026年)」(株式会社鎌倉新書「いいお墓」)(ニュースリリース、調査結果の全文)
※公的な資料と調査の内容は、2026年11月に確認したものです。
この記事を書いた人 大手葬儀会社Web事業部に3年間在籍。年間2,000件以上の葬儀集客・月数千万円超の広告運用・月間1,000万PV超のコンテンツ制作を担当した現場経験者が執筆しています。


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