実家じまいでは、仏壇の行き先が決まらず、家を空き家のままにしている世帯もあります。国土交通省の調査では、今後5年ほど空き家のまま持っておくつもりの世帯のうち、その理由に「仏壇など他に保管場所がないものがある」を挙げた世帯が21.6%ありました(複数回答・令和6年空き家所有者実態調査)。この記事では、仏壇の行き先の選び方と費用の例、位牌・遺影の扱いを、市区町村と宗派の公式サイトなどからまとめました(2026年11月7日確認)。
実家の仏壇のポイント
- 行き先は4つ:家族が引き取る/仏壇店・お寺・供養サービスに頼む/市区町村の粗大ごみに出す/家財と一緒に業者に頼む
- 粗大ごみの手数料は、下の表の8市区で200円〜3,200円。呉市のように、市では仏壇を処理しない所もある
- 仏壇・位牌の考え方は宗派で違う。処分の前に閉眼供養(魂抜き)をするかは、菩提寺か同じ宗派のお寺に確かめる
- 位牌・遺影・写真は、郵送でお焚き上げに出す方法もある(写真など薄い品はレターサイズS〔25×17cm・厚さ2cm・1kgまで〕で税込1,650円。位牌や額入りの遺影は大きさに合わせてレターサイズ2,860円〜・ボックス6,600円〜)
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位牌・遺影・写真や小さな仏壇を
郵送してお焚き上げ
申し込むと届くシールと申込書を、品物を詰めた封筒や箱に付けて送ると、提携の山名八幡宮(群馬県高崎市)でご祈祷とお焚き上げをしてもらえます。料金は大きさで決まり、写真など薄い品はレターサイズS(25×17cm・厚さ2cm・1kgまで)1,650円、少し大きな品はレターサイズ2,860円、ボックスは100(3辺の合計100cm・10kgまで)6,600円から170(3辺の合計170cm・25kgまで)16,500円まで(税込・神社への送料込み・ボックスは箱なしの料金)。仏壇や神棚も、宗教・宗派を問わず受けるとしています(同社のサイト・2026年11月確認)。
ボックスの箱は自分で用意します。お寺の閉眼供養とは別のものです。家電リサイクル法の対象品や遺骨などは送れず、送った品は返却されません。完了まで1〜2か月ほどかかることがあります
実家の仏壇の行き先は4つ

1. 家族が引き取る
- 住まいに置けるかを、大きさと置き場所で先に確かめる
- 真宗大谷派は、ご本尊をお移しするときに「御移徙(おわたまし)」という法要を勤めるとしている。ほかの宗派も、移す前に菩提寺に相談する
2. 仏壇店・お寺・供養サービスに頼む
| サービス | 料金の例(税込) | 閉眼供養 | 地域・条件 |
|---|---|---|---|
| はせがわ(供養引取り) | 3辺の合計130cmまで19,800円〜400cmまで77,000円 | 含まない。ご本尊・位牌は先にお寺で | 全国一律料金。離島など対応できない地域あり。吊り下げ・クレーン作業は別途 |
| 大野屋(お焚き上げ) | 高さ60cm未満:訪問引取55,000円・店舗持込49,500円 | 僧侶が閉眼供養をする | 東京(一部地域・離島を除く)。重機が要る搬出は別途 |
| みんなのお焚き上げ(郵送) | ボックス170(3辺の合計170cm・25kgまで・箱は自分で用意)16,500円 | 神社(山名八幡宮)でのご祈祷とお焚き上げ。お寺の閉眼供養とは別 | 箱に入る大きさだけ |
- 金額は各社の公式サイトに載っている例(2026年11月確認)。はせがわは、仏壇の中を空にし、家具・人形・写真は引き取らない
- イオンライフは、新しい仏壇を買うときに、古い仏壇を有料で引き取って供養する。料金は大きさや距離で変わり、購入する特約店に問い合わせる形
- 小樽市の空き家ガイドブックも、仏壇の処分は地域や宗派などでいろいろな方法があるので、まず仏壇・仏具店などに相談するとよいとしている
3. 市区町村の粗大ごみに出す

- 調べた市区町村の多くで、仏壇は粗大ごみ(札幌市は大型ごみ)として出せる。手数料は一律の市と、大きさで変わる市区町村がある
- さいたま市は「必ず解体すること」とし、90cm以上2m未満のものは粗大ごみ(1品550円)、それより小さくすれば不燃ごみ。仙台市は100kgを超えるものは許可業者に依頼する。岡山市は持ち込みなら無料
- 呉市は、仏壇を市で処理できないごみに挙げ(市の施設への持ち込みもできない)、購入店に引き取ってもらうか販売店に相談するか、市の許可を受けた一般廃棄物処理業者に依頼する(有料)としている
- 仏具は素材で分ける市がある。横浜市は、金属製は小さな金属類(30cm以上は粗大ごみ)、陶器・ガラス製は燃えないごみ、木製は燃やすごみ(どちらも50cm以上は粗大ごみ)
4. 家財と一緒に業者に頼む
- 実家の家財をまとめて片づけるなら、遺品整理・不用品回収の業者に仏壇も一緒に頼む方法がある。総務省の調査報告書(令和2年3月)に載っている遺品整理の見積書の例には「仏壇処分費 1式 45,000」の行がある(税抜き・消費税8%の当時。総務省は、見積額は平均的な水準を表すものではないとしている)
- 家庭のごみを集めるには、市区町村の一般廃棄物処理業の許可か委託が要る。「産業廃棄物処理業の許可」や「古物商の許可」では回収できない(環境省)。許可は、その市区町村の窓口に問い合わせて確かめられる(国民生活センター)
- 見積もりは複数の業者からとり、残す物と処分する物を分けて、作業にはできるだけ立ち会う(国民生活センター)
- 一括見積もりのサービスを使う場合も、来た業者ごとに許可を確かめる
- 仏壇を引き取れるか、閉眼供養をどうするかも、見積もりのときに確かめる
仏壇・位牌の考え方は宗派で違う

- 浄土真宗:仏壇にご本尊を迎えるときの法要について、本願寺派は「入仏」と言っても魂を入れるのではないとし、真宗大谷派も、浄土真宗ではご本尊に新しい魂や性根を入れるという受けとめはないとしている
- 浄土宗:浄土宗新聞は、総本山知恩院の勢至堂の修理の記事で、撥遣式を「仏像や位牌などの魂を抜く儀式」と説明している
- 日蓮宗・天台宗:仏壇を迎えるときは、菩提寺に開眼法要を頼むよう案内している(日蓮宗は、開眼法要を「魂を入れる」ことと説明)
- 曹洞宗:仏事のやり方は地域の慣習などでさまざまなので、菩提寺に尋ねて指示を受けるよう案内している
家庭の仏壇を処分するときに閉眼供養をするかどうかを説明したページは、調べた宗派の公式サイトには見当たりませんでした(2026年11月確認)。菩提寺がある場合は、処分の方法を決める前に住職に相談しましょう。仏壇店に頼む場合も、閉眼供養を含むか(大野屋は含む、はせがわは含まない)を確かめます。
位牌・遺影・写真はどうする
- 位牌:浄土真宗(本願寺派・大谷派)は位牌を用いない。曹洞宗は、位牌が多くなってお仏壇が狭くなったら「繰り出し位牌」や「合同牌」、「○○家先祖代々」にまとめられるので菩提寺に相談するよう案内している。日蓮宗は、位牌が多くなりすぎたら、古いご先祖様から順に過去帳に記入するよう案内している
- 国民生活センターの「国民生活」2025年12月号で、花園大学の佐々木閑さんは、位牌を継ぐ人がいない場合は位牌そのものをお寺に納める方法もあると述べている
- 遺影・写真:ごみとしての出し方は市区町村で違う。横浜市は写真(印画紙)を古紙とし、写真立てや額縁は素材で分ける。札幌市は写真を雑がみ、世田谷区は写真を可燃ごみとしている。横浜市は位牌を燃やすごみとしている
- お焚き上げに送る:みんなのお焚き上げは、遺影や写真アルバム(中の写真を抜かなくてよい)、位牌も受けるとしている。写真など薄い品はレターサイズS(25×17cm・厚さ2cm・1kgまで)1,650円から(税込・神社への送料込み)。神社でのご祈祷とお焚き上げで、お寺の閉眼供養とは別のもの
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郵送のお焚き上げ「みんなのお焚き上げ」(株式会社クラウドテン)
位牌・遺影・写真や小さな仏壇を
郵送してお焚き上げ
申し込むと届くシールと申込書を、品物を詰めた封筒や箱に付けて送ると、提携の山名八幡宮(群馬県高崎市)でご祈祷とお焚き上げをしてもらえます。料金は大きさで決まり、写真など薄い品はレターサイズS(25×17cm・厚さ2cm・1kgまで)1,650円、少し大きな品はレターサイズ2,860円、ボックスは100(3辺の合計100cm・10kgまで)6,600円から170(3辺の合計170cm・25kgまで)16,500円まで(税込・神社への送料込み・ボックスは箱なしの料金)。仏壇や神棚も、宗教・宗派を問わず受けるとしています(同社のサイト・2026年11月確認)。
ボックスの箱は自分で用意します。お寺の閉眼供養とは別のものです。家電リサイクル法の対象品や遺骨などは送れず、送った品は返却されません。完了まで1〜2か月ほどかかることがあります
仏壇と一緒に、お墓や家をどの順番で片づけるかは「実家じまいと墓じまいの手順」、遺骨の一部を手元に残す方法は「手元供養の種類と値段」でまとめています。
よくある質問
仏壇の処分には、いくらかかりますか?
市区町村の粗大ごみなら、この記事の表の8市区で200円〜3,200円でした(岡山市は持ち込みなら無料)。仏壇店の引取りは、はせがわの供養引取りで19,800円から(3辺の合計130cmまで・全国一律・税込)、閉眼供養を含む大野屋(東京)で高さ60cm未満55,000円(訪問引取・税込)などの例があります。遺品整理の業者に家財と一緒に頼む場合は、見積もりで決まります。
仏壇の中の仏具はどうしますか?
はせがわに供養引取りを頼む場合は、仏壇の中を空にしておき、仏具はダンボール1箱5,500円(税込)で別に引き取ってもらえます。ごみとして出すなら、横浜市や岡山市のように素材で分ける市があります(金属製・陶器・木製)。
菩提寺がない、または遠いときは?
閉眼供養を含めて引き取る仏壇店があります(大野屋は東京)。郵送のお焚き上げ(みんなのお焚き上げ)は神社でのご祈祷とお焚き上げで、お寺の閉眼供養とは別のものです。浄土真宗本願寺派は、寺院を探す人に別院・教務所に尋ねるよう案内しています。宗派の公式サイトには処分のときの説明が見当たらないので、同じ宗派のお寺に確かめてから選びましょう。
家の片づけと仏壇、どちらを先にしますか?
仏壇は家の中にあるので、家を売ったり解体したりする前に行き先を決めます。小樽市は、仏壇が残ったままだと空き家の売却や解体の妨げになる場合があるとしています。相続放棄を考えている場合は、決める前に家財を処分すると放棄できなくなることがあるので(民法 第921条)、先に「実家じまいと墓じまいの手順」を確かめてください。
(この記事で使った資料:国土交通省「令和6年空き家所有者実態調査結果」、総務省「遺品整理のサービスをめぐる現状に関する調査結果報告書」(令和2年3月)、環境省「廃棄物の処分に「無許可」の回収業者を利用しないでください!」、国民生活センター「見守り新鮮情報 第525号」「国民生活 2025年12月号」、小樽市「空き家ガイドブック 家財等の整理・処分について」、札幌市「家庭ごみ分別辞典」・大型ごみインターネット受付、福岡市「粗大ごみの出し方」・粗大ごみ収集品目一覧、さいたま市「粗大ごみの出し方」・家庭ごみの出し方マニュアル(令和8年度版)、仙台市「五十音で引くワケ方事典(ハ行)」、大阪市「粗大ごみ処理手数料一覧表」、名古屋市「粗大ごみの品目別手数料」、京都市「告示第19号」、杉並区「粗大ごみ品目一覧」、呉市「ごみ・資源物の出し方」「直接搬入」、横浜市「ごみ分別辞典」、岡山市「分かりにくい分別区分」、世田谷区 ごみの分別(オープンデータ)、浄土真宗本願寺派「よくあるご質問」、真宗大谷派「お仏壇(お内仏)のこと」、浄土宗「浄土宗新聞」、日蓮宗「Q&A 位牌が多くなったとき」「Q&A 仏壇を購入するとき」、天台宗「Q&A」、曹洞宗「よくあるご質問」「お仏壇のまつり方」、はせがわ・大野屋・イオンライフ・みんなのお焚き上げの公式サイト。2026年11月7日に確認)
この記事を書いた人 大手葬儀会社Web事業部に3年間在籍。年間2,000件以上の葬儀集客・月数千万円超の広告運用・月間1,000万PV超のコンテンツ制作を担当した現場経験者が執筆しています。

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